日本語ドメイン名 【Japanese domain name】

概要

日本語ドメイン名(Japanese domain name)とは、インターネット上のドメイン名に従来から使われてきた半角英数字とハイフンに加え、ひらがな、カタカナ、漢字といった日本語文字を使えるようにしたもの。

いわゆるASCII文字として規定されているラテンアルファベット以外の各国・言語の文字をドメイン名に使用できるようにした国際化ドメイン名IDNInternationalized Domain Name)の一種で、第2階層(セカンドレベルドメイン)以降の登録名として日本語を用いるものと、最上位階層のトップレベルドメインTLD)に日本語を用いた「日本語TLD」がある。

従来のドメイン名表記はA~Zの英字、0~9の数字、ハイフン(-)しか使用できなかったが、日本語ドメイン名ではこれに加えてひらがな、全角カタカナ、漢字、「・」(中黒)などの文字を利用できる。日本語文字コードに標準的に存在する文字であっても、全角アルファベット・数字や半角カタカナ、ほとんどの記号文字は使用できない。

登録ドメイン名として日本語を使用できるかどうかは各トップレベルドメインの方針次第だが、世界的に広く用いられる「.com」「.net」「.org」などのgTLDでは日本語を含む各国言語での登録を2000年から、日本を意味する「.jp」では日本語による登録を2001年から、それぞれ受け付けている。

DNSDomain Name System)では日本語を含む各国文字をそのまま扱うことはできないため、クライアント側で「Punycode」と呼ばれる変換規則によってASCII文字のみの特殊な表記に変換し、これを用いてIPアドレスの問い合わせなどを行う。変換後のドメイン名は既存のドメイン名と衝突しないよう「xz--(変換後のASCII文字列)」という特殊な形式となっている(xz--で始まるASCII文字のドメイン名は登録できない)。

日本語トップレベルドメイン (日本語TLD)

従来は最上位のトップレベルドメインTLDTop Level Domain)の数や種類は厳しく管理・制限されてきたが、2012年に一定の基準を満たせば登録・運用が原則自由化され、多くの新gTLDが登録されるようになった。

日本語を含む各国言語による表記も解禁され、様々な言語によるTLD国際化gTLD)が登場した。初の日本語TLDは米グーグル(Google)社の「.みんな」で、2014年に運用を開始した。

技術的には登録ドメイン名に日本語と用いる場合と同様、TLD部分もPunycodeにより等価なASCII表記に変換してDNS上で処理される。例えば「.みんな」は「.xn--q9jyb4c」に変換される。

(2018.11.6更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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