Unity

概要

Unityとは、米ユニティ・テクノロジーズ(Unity Technologies)が開発・販売しているゲームエンジンおよびゲームの統合開発環境(IDE)。3次元グラフィックス(3DCG)あるいは2次元(2DCG)ベースのゲームを製作し、パソコンスマートフォン、家庭用ゲーム機、Webブラウザなどで実行させることができる。

ステージやフィールドの作成、キャラクターオブジェクトの配置、プレイヤーに対する情報表示や操作の受け付け(UI)、効果音(SE)や音楽(BGM)の再生設定、ゲーム内の基本的な挙動などはグラフィカルな操作画面(GUI)を通じて制作することができる。

標準にない機能や複雑な挙動などを作り込みたい場合はプログラミング言語C#を用いてスクリプトを追加することができる。C#の標準の実行環境.NET Frameworkだが、オープンソース版のMonoや、独自開発のC++言語への変換機能(IL2CPP)などを用いて、Unity自体の対応環境のすべてで動作するようになっている。

グラフィック描画のためのレンダリングエンジンを内蔵し、Direct3DOpenGLなど実行環境側に用意された描画機能を使い分けて高速に3Dグラフィックスを描画できる。各種の3Dモデル制作ソフトファイル形式に対応しており、外部のツールで制作したモデルをゲーム中で使用する素材(アセット)として取り込むことができる。

ゲーム内で使用するキャラクターアイテムなどの3Dモデルや2Dグラフィック、アニメーション、背景画像、音声や音楽といったアセットは専用のオンラインストア「Unity Asset Store」で探すことができる。様々な作り手による作品が集積されており、無料で入手したり有料で購入することができる。

制作したゲームは特に作り分けなどしなくても簡単な操作で様々な環境向けにリリースすることができる。主な対応環境はWindowsmacOSLinuxiOSAndroidWebブラウザ(Unity Web Player)、PlayStationシリーズ、Xboxシリーズ、Wii U、Nintendo Switchなどとなっている。

近年ではAR/VRシステムへの対応や、映画などの映像作品における3DCG制作、シミュレーションデジタルモックアップコンピュータ上での仮想的な試作)、実際の設計モデルを使った精緻なプロモーションコンテンツの制作など産業向けの用途拡大にも力を入れている。

料金体系は一定期間ごとに使用権を購入するサブスクリプション方式となっており、個人の非商用での利用は無料(Unity Personal)、小規模企業や個人事業主は年額48,395円(Unity Plus)、ゲームデベロッパーなどは開発者一人あたり年額217,800円(Unity Pro)などとなっている。

(2021.9.22更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる