仮想 【virtual】
概要
仮想(virtual)とは、実際には無いが、仮にあるものと考えてみること。仮に想定すること。ITの分野では慣用的に “virtual” の訳語として「名目上は違うが、実質的には~であるとみなせる」という(本来とは少しずれた)意味で用いられる。「仮想○○」といった場合、現実に存在する何かをソフトウェアやハードウェアの機能によって再現したものを意味する場合が多い。再現するものは別のソフトウェアやハードウェアやそれらの提供する機能であることが多い。
仮想化
物理的な一台のコンピュータを構成するマイクロプロセッサ(CPU/MPU)やメインメモリなどの資源(および、それらの組み合わせ)を、物理的構成に拠らず柔軟に分割したり統合したりして、一台の機器を複数台のように振舞わせたり、複数台の機器を一台のように振舞わせることすることを「仮想化」「バーチャライゼーション」(virtualization)という。
通常は一台のコンピュータ上にソフトウェアによって互いに独立したコンピュータシステムを複数構成することを指し、ソフトウェア的に構成されたコンピュータを「仮想マシン」(VM:Virtual Machine)という。
近年ではコンピュータシステムに限らず、ストレージやネットワークなどについても、物理的な機器の配置や配線、構成、設定とは独立に、利用者やソフトウェアから見た構成を特定の状態に変更することを仮想化と呼んでいる。
仮想現実
現実の三次元空間に模した空間の映像をリアルタイムに生成し、その中で移動したり行動したりできる技術を「バーチャルリアリティ」(virtual reality)と呼び、訳語として「仮想現実」の語が与えられている。近年では「仮想」と “virtual” のニュアンスの違いをめぐる議論を受けて「人工現実感」と訳される場合もある。
(2020.6.5更新)