トレーラー 【trailer】 トレイラー
概要
トレーラー(trailer)とは、被牽引車、荷台車両、予告編、次回予告などの意味を持つ英単語。映画やビデオゲームなどで、新作の宣伝のために制作された短い映像(予告編)のことをトレーラームービーあるいは単にトレーラーという。英語ではテレビ番組の次回予告などのことも “trailer” という。一般の外来語としては、荷台部分が切り離し可能な構造の貨物自動車のことをトレーラーということが多いが、本来は後部に連結された荷台部分(被牽引車)がトレーラーであり、牽引する側の自動車は「トラクター」(tractor)あるいは「トレーラーヘッド」(trailer head)という。
予告編のトレーラー
映画やゲーム、公演、イベントなどの予告編や宣伝映像などのことをトレーラーと呼ぶのは「顧客を惹きつけて購入や試聴へ向け牽引するイメージから」と説明されることがあるが、“trailer” の原義は牽引「される」側であり、この説は誤りである。
20世紀初頭のアメリカの映画館では、現代とは異なり新作映画の予告編を上映作品本編の『後に』上映していた。映画本編を牽引車に、後ろに連結された予告編を被牽引車に見立て、「トレーラー」と呼ぶようになったとされる。
パケットのトレーラー
通信ネットワークの分野では、パケットやフレームなどのデータ伝送単位の末尾にある制御情報などの領域をトレーラーと言うことがある。
現代のデータ通信システムの多くは、伝送したい(長い)データを一定の長さに区切って、それぞれに制御情報を付加して小包(packet)のような小さな伝送単位に加工してそれぞれ送受信する。この伝送単位をPDU(Protocol Data Unit)と総称し、通信方式によってパケット、フレーム、データグラム、メッセージ等の名称で呼ばれる。
PDUの先頭部分は送信元や宛先など通信制御に必要な情報を記載した「ヘッダ」(header)で、続いて相手方に送信したいデータ本体である「ペイロード」(payload)あるいは「ボディ」(body)が連結される。これで終わりの規格も多いが、方式によっては末尾にも誤り訂正符号などの制御情報を付加する場合があり、これをトレーラーという。