読み方 : わりびきりつ

割引率 【dicount rate】 ディスカウントレート

概要

割引率(dicount rate)とは、財産などの将来の価値を現在の価値に換算するために用いる割合。主に金融分野で、貨幣価値の変動やリスクを反映した財産評価額の算定などに用いられる。

解説 金利が機能し物価がインフレし続ける経済では、現在の1000円と1年後の1000円の価値は同じではない。「1年後に1000円受け取る契約」に支出する金額は1000円よりも安くなければ割に合わないというのが基本的な考え方である。

割引率は1年あたりに期待される利回りを表し、将来の金額から利回りを年数に応じて割り引いて現在の金額を求める。例えば、割引率を3%と仮定した場合、1年後の1000円は現在の価値で 1000÷(1+0.03)=約971円、2年後の1000円は 1000÷1.032=約943円と計算される。

割引率は様々な経済活動で用いられるが、会計処理で財産の現在価値を求める場合などには、国債の利回りなどを参考に安全な運用をした場合に期待される利回りを設定することが多い。投資や企業買収などでは、これに加えて案件自体のリスクや期待される収益を加味して割引率を決める。

強化学習の割引率

機械学習の一種である強化学習でも割引率の考え方を用いる。強化学習では行動の選択肢を評価する際、各行動について現在から一定の将来までに得られる報酬の合計を算出し、最も累積報酬が大きくなるような行動を選ぶ。その際、将来の各時点の報酬を単純に算術和するのではなく、一定の割引率で差し引いた値を加算していく。これにより、近い将来の報酬ほど大きく評価し、遠い将来の報酬ほど小さく評価する。

(2025.10.14更新)