読み方 : けっさん
決算【settlement】
概要
決算とは、企業が一定期間における事業活動の成果と、期末時点での財政状態を数値として確定させる一連の手続き。通常は一年間を一つの区切りとし、その期間内の収益と費用を計算して、最終的な利益または損失を明らかにする作業を指す。

企業は日々の取引を帳簿に記録しているが、会計年度の終わりであり決算期にはそれらを整理し、在庫の確認(棚卸し)や、建物や機械などの保有資産の価値の減少分を費用化する(減価償却)といった「決算整理」を行う必要がある。
決算では、こうした整理を経て帳簿を締め切り、最終成果物として「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」などの財務諸表を作成する。こうした一連の文書をまとめて「決算書」と呼び、企業の健康状態や稼ぐ力を示す客観的な成績表として機能する。
決算によって確定された情報は、多様な関係者にとって極めて重要である。株主や投資家は投資判断の材料として活用し、金融機関は融資の可否を判断する根拠とする。また、国や地方自治体に納める法人税などの税額も、この決算数値を基に算出されるため、適正な申告納税のためには正確な決算が不可欠となる。
経営陣にとっても、過去のパフォーマンスを分析し、次期の経営計画や予算を策定するための基礎データとなる。日本では年一回の「本決算」が法的に義務付けられているが、上場企業などでは経営状態の透明性を確保するため、本決算の半年後に行われる「半期決算」(中間決算)や、四半期ごとに業績を開示する「四半期決算」なども行われる。
(2025.11.22更新)