リーダーシップ【leadership】

概要

リーダーシップとは、組織やチームを目標達成に向けて導くための影響力。特定の役職や地位に限定されるものではなく、個人の持つ資質や行動を通じて他者に良い影響を与え、自発的な協力を引き出しながら、共通の目的に向かって集団を動かすプロセス全体を指す概念である。

リーダーシップの変遷

リーダーシップの役割は、時代や組織の状況によって変化してきた。かつては、カリスマ性を持った一人の指導者(リーダー)が強力な権限を行使し、組織の方向性を決定する支配的・専制的なリーダーシップが主流であった。これは、変化の少ない環境や、緊急性が高い状況で有効とされるスタイルである。

しかし、現代のように変化が激しく、多様な知識や技術が求められる時代においては、一人のリーダーがすべてを決定し、実行することは困難となった。そのため、部下やメンバーの自主性を尊重し、個々の能力を引き出す参加型・民主的なリーダーシップが重要視されるようになった。リーダーシップは「リーダーが行うもの」から、「チーム全体で発揮するもの」へと認識が変化しているのである。

サーバントリーダーシップ

現代のリーダーシップ論において特に注目されている二つの形態がある。一つは「サーバントリーダーシップ」(servant leadership)である。これは、リーダーがまずメンバーに奉仕(serve)し、彼らの持つ潜在能力や成長を最大限に引き出すことを最優先とするスタイルである。

リーダーは指示・命令を行うのではなく、メンバーの意見に耳を傾け、彼らが働きやすい環境を整える「支援者」としての役割を果たす。このスタイルは、メンバーの自律性を高め、長期的な組織の健全性を保つ上で有効だとされている。

シェアードリーダーシップ

もう一つは「シェアードリーダーシップ」(shared leadership)である。これは、特定の個人に権限を集中させるのではなく、メンバー一人ひとりが状況に応じてリーダーシップを発揮し、その役割を流動的に共有するスタイルである。複雑な課題に対応する専門性の高いチームや、プロジェクト型の組織において特に有効であり、組織全体の問題解決能力を高めることにつながる。

(2025.11.23更新)