UTMアプライアンス 【Unified Threat Management appliance】

概要

UTMアプライアンス(Unified Threat Management appliance)とは、セキュリティ機器の種類の一つで、一台で複合的・総合的なセキュリティ機能を提供する製品。ネットワーク境界に設置してゲートウェイ(中継装置)として使用する。

UTMとは単一のシステムで複合的・網羅的なセキュリティ対策をうことで、UTMアプライアンスは一台にファイアウォールアンチウイルスゲートウェイ侵入検知システムIDS)または侵入防止システムIPS)、Webコンテンツフィルタ、アンチスパム/アンチフィッシングなどの機能が統合されている。

同じ機能を個別の製品で揃えるより安価であり、操作や設定も簡潔で迅速に導入できる。運用ソフトウェア更新などの保守作業も省力化され、手間やコストを抑えることができる。専任のシステム管理部門やセキュリティ部門を設置・維持するのが難しい中堅・中小企業のセキュリティ対策に適している。

一方、様々な機能を一台に集約しているため、個別の機能や性能を比べると単体製品の方が性能や拡張性が高かったり、最適なセキュリティ機能の選択肢が増えるケースも多い。また、多くのUTMアプライアンスはネットワークの出入口に設置してゲートウェイの役割も果たすため、故障などで停止してしまうとインターネット接続自体が不通になってしまう場合がある。

近年ではUTMアプライアンス以外に、UTMクラウドサービスとして提供する「クラウドUTM」も広まっている。VPNサービスの一貫として提供されるもので、契約者のネットワークインターネットの境界で通信事業者が提供するUTMシステムを利用できる。決まった費用でUTMを利用でき、アプライアンスを購入、設置、運用する必要がない。これは拠点ごとにアプライアンスを設置していた多拠点の法人で特に大きなメリットとなる。

(2022.3.7更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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