アンチウイルスゲートウェイ【anti-virus gateway】ウイルスゲートウェイ
概要

ネットワーク上では通常のゲートウェイ、またはプロキシサーバとして振る舞い、異なるネットワーク間でパケットを中継する。その際、SMTPやPOP3、IMAP4によるメールの送受信、HTTPによるWebアクセスが発生すると、通過する通信の内容を解析してウイルスなどのマルウェアの有無を判定する。
HTTPSで暗号化された通信は内容を覗き見ることができないため、自身がクライアントとなってWebサーバと通信し、一旦暗号化を解除して内容をスキャンした後に実際のクライアントに内容を転送する「TLSターミネーション」(SSLターミネーション)という手法が用いられることもある。
マルウェアが検出された場合の対応は製品や設定によって異なる。メッセージやファイルそのものを削除する方式、添付ファイルなどマルウェアが含まれる部分のみを取り除いて残りの内容は届ける方式、送信者に警告を送る方式、管理者や受信者に検出結果を通知する方式などがある。
マルウェアの検知方式はウイルス定義ファイル(パターンファイル)と照合するシグネチャ法が一般的だが、近年では既知のパターンとの照合に加え、挙動に着目するヒューリスティック検知や挙動を仮想環境で確認するサンドボックス方式などを組み合わせ、ゼロデイ攻撃や標的型攻撃への対応力を高めた製品も一般的になっている。
クライアント側の設定については、ルータなどと同様に透過的に通信を中継する通常のゲートウェイ方式であれば特別な設定は不要である。一方、明示的なプロキシ方式として動作する製品の場合は、メールソフトやWebブラウザ側でそのサーバを経由するよう接続設定を行う必要がある。検査結果を記録し、監査やインシデント対応に活用できる製品も存在する。
かつては各端末に導入したアンチウイルスソフトのみで対策を行うのが主流だったが、インターネットの普及に伴い、ネットワークの入口で一括して脅威を阻止する水際対策として普及した。複数の端末をまとめて保護できるため、組織全体のセキュリティレベルを均一に保ちつつ、運用管理の負担を軽減できる。近年は標的型攻撃やランサムウェア対策として、セキュアメールゲートウェイ(SEG)やセキュアWebゲートウェイ(SWG)の機能と統合された製品も普及している。