読み方 : ちょさくけんほう

著作権法【copyright act】

概要

著作権法とは、創作性をもつ著作物を保護するための法律。著作者等の権利を保護しつつ、著作物の公正な利用を図り、文化の発展に寄与することを目的とする。著作者の権利内容、保護期間、利用に関するルールなどを定めている。

保護の対象とするのは、思想や感情を創作的に表現した「著作物」である。「表現したもの」「創作したもの」であることが重要で、表現ではないアイデアや理論のような無体物、あるいは、創作性の乏しい定型的な表現や誰が作っても同じになるような無個性な表現、単なる事実やデータの羅列などは保護されない。日本の著作権法は権利の発生に登録などの手続きを必要としない「無方式主義」を採用している。

権利の内容

著作権法が保護する権利の内容は大きく二つに分類される。著作者の人格的な利益を守る「著作者人格権」と、経済的な利益を守る「著作権(財産権)」である。人格権は「公表権」や「氏名表示権」などを含み、著作者自身に専属する権利であるため他者に譲渡することはできない。

一方、財産権としての著作権は、「複製権」や「公衆送信権」など複数の支分権で構成される。著作者はその一部または全部を他人に譲渡したり、利用許諾を与えたりすることができる。また、著作者以外の関係者、すなわち、音楽の実演家やレコード製作者などに一定の権利を認める「著作隣接権」も規定されている。

保護と利用のバランス

著作権法は権利者の利益と社会全体の利益とのバランスを重視している。そのため、私的使用のための複製や、報道、教育、正当な範囲内での引用など、一定の条件下では権利者の許諾なく著作物を利用できる「権利の制限」規定が設けられている。

著作権の保護期間については長年、著作者の死後50年までとされてきたが、2019年の改正で死後70年に延長された。法人名義の著作物や映画の著作物、作者不明の場合は公表から70年である。保護期間が満了すると、著作権の存在しない著作物(パブリックドメイン)となり、誰でも自由に、どのような利用も可能な状態となる。

著作権の侵害

引用の範囲を超えて著作者に無断で著作物を公開するなど、著作権法に違反した場合には、民事上の損害賠償請求や差止請求の対象となる。悪質な場合には、権利者が警察に被害届を提出することによって刑事罰の対象とすることもできる。

刑事罰に関しては、原則として権利者が訴え出ることで認められる「親告罪」となっており、権利者の意思で黙認することもできる。ただし、権利者が死亡している場合、有償の著作物を無断で配布・販売する行為(いわゆる海賊版)などに関しては、非親告罪として訴えがなくても摘発される。

(2025.11.25更新)

資格試験などの「著作権法」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令1秋 問24】 著作権法における著作権に関する記述のうち、適切なものはどれか。
平31春 問9】 著作権法の保護対象として、適切なものはどれか。
平30秋 問7】 開発したプログラム及びそれを開発するために用いたアルゴリズムに関して、著作権法による保護範囲の適切な組合せはどれか。
プログラムアルゴリズム
保護されない保護されない
保護されない保護される
保護される保護されない
保護される保護される
平29春 問10】 PCのオペレーティングシステムを構成するプログラムを知的財産として保護する法律はどれか。
平28春 問8】 著作権法による保護の対象となるものはどれか。
平27春 問15】 ディジタルコンテンツのコピープロテクトは、ディジタルコンテンツに関する著作者の権利を保護するための技術である。コピープロテクトを無効化する機能をもつプログラムの販売を禁止しているものはどれか。
平26春 問29】 著作権法の保護の対象となるものはどれか。
平24秋 問24】 ソフトウェアの開発を外部ベンダに委託する。委託契約において特段の取決めがない場合、このソフトウェアの知的財産としての権利の帰属を規定している法律はどれか。
平24春 問16】 著作権法の保護の対象となるものはどれか。
平22春 問25】 著作者の了解を得ないで次の行為を行った場合、著作権法に照らして適法な行為はどれか。
平21秋 問21】 新製品の開発に当たって生み出される様々な成果のうち、著作権法による保護の対象となるものはどれか。
▼ 基本情報技術者試験
令6修1 問60】 著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
令5修1 問79】 著作権法において,保護の対象となり得ないものはどれか。
令4修12 問79】 著作権法で保護されるものはどれか。
令4修1 問79】 著作権法による保護の対象となるものはどれか。
令3修6 問79】 著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
令2修12 問79】 著作権法において,保護の対象となり得ないものはどれか。
令2修6 問79】 著作権法で保護されるものはどれか。
令1修12 問79】 著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平31修1 問79】 著作権法において,保護の対象となり得ないものはどれか。
平30修6 問79】 著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平29修7 問79】 著作権法で保護されるものはどれか。
平29春 問79】 著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平28修6 問79】 プログラム中のアイディアやアルゴリズムは保護しないが,プログラムのコード化された表現を保護する法律はどれか。
平28春 問79】 著作権法において,保護の対象とならないものはどれか。
平28修1 問79】 著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平27修12 問79】 著作権法で保護されるものはどれか。
平27修6 問79】 著作権法に抵触するおそれがある行為はどれか。
平26秋 問79】 著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平26修6 問79】 著作権法において,保護の対象とならないものはどれか。
平26修1 問77】 プログラム中のアイディアやアルゴリズムは保護しないが,プログラムのコード化された表現を保護する法律はどれか。
平25修6 問77】 著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平24修12 問77】 著作権法において,保護の対象とならないものはどれか。
平24秋 問79】 著作権法で保護されるものはどれか。
平24修6 問77】 プログラム中のアイディアやアルゴリズムは保護しないが,プログラムのコード化された表現を保護する法律はどれか。
平24春 問78】 著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平23秋 問79】 著作権法において,保護の対象とならないものはどれか。
平23春 問78】 著作権法に照らして適法な行為はどれか。
平23修1 問77】 ソフトウェアに対する著作権法による保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平22修12 問77】 プログラム中のアイディアやアルゴリズムは保護しないが,プログラムのコード化された表現を保護する法律はどれか。
平22修7 問77】 著作権法において,保護の対象とならないものはどれか。
平21秋 問78】 プログラム中のアイディアやアルゴリズムは保護しないが,プログラムのコード化された表現を保護する法律はどれか。
平21修7 問78】 ソフトウェアに対する著作権法による保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平21春 問78】 著作権法において,保護の対象とならないものはどれか。