MVV【Mission, Vision, and Values】
概要
企業の存在意義や使命、経営理念、行動規範といったものを「ミッション」(Mission)、「ビジョン」(Vision)、「バリュー」(Value)の3つの項目にまとめたものである。ブレない経営と持続的な成長を支える羅針盤のような役割を果たす。
構成要素と役割
「ミッション」(Mission)は、その企業や組織が「何のために存在するのか」という根源的な目的や社会的な役割を明確に示すものである。「誰に、どのような価値を提供するのか」という事業活動の意義を定義し、組織の不変の土台となる。例えば、「世界中の人々に安全でクリーンなエネルギーを提供する」といった、組織の存在目的(パーパス)を表現する言葉である。
「ビジョン」(Vision)は、ミッションを実現した「未来の理想的な姿」、つまり、目標とする中長期的な到達点を描くものである。従業員に対して「どこへ向かっているのか」という共通のゴールを提示し、日々の業務に対するモチベーションと具体的な方向性を与える。ミッションよりも時代と共に変化したり、より具体性を持たせたりすることもあるが、常にミッションに合致している必要がある。例えば、「〇年後に業界で最も信頼されるパートナーとなる」といった達成すべき状態を示す。
「バリュー」(Value)は、ミッションの達成とビジョンの実現に向けて、「組織として大切にする信念や行動の基準」、すなわち、価値観や行動規範を定義するものである。従業員一人ひとりが日々の意思決定や行動において迷わないための指針として機能する。例えば、「顧客第一主義」「常に挑戦し続ける」「多様性を尊重する」といった、組織文化を形成するための具体的な行動原理を示す。
MVVの重要性
MVVを定義することで、組織全体に一貫性と求心力をもたらすことが期待される。従業員は、自分の仕事がミッションやビジョンの実現にどう繋がっているかを理解することで主体性を持って行動でき、自身の行動がバリューに適うものか自ら振り返ることができるようになる。
また、採用活動やブランド構築といった社外とのコミュニケーションにおいても、MVVを通じて「自分たちが何者であるか」「何を目指しているのか」を簡潔に示し、組織の個性や魅力を伝えることができる。これは共感する人材や顧客を引き寄せる上で大きな役割を果たす。
