コーチング【coaching】

概要

コーチングとは、人材開発の手法の一つで、対話を通じて相手の内面にある答えや可能性を引き出し、目標達成に向けた自発的な行動を促進する手法。上司が部下に一方的に知識や答えを教える「ティーチング」とは異なり、問いかけによって相手自身の気付きを促す点に最大の特徴がある。
コーチングのイメージ画像

ビジネスの現場においてコーチングが注目される背景には、環境変化の激しさや働き方の多様化がある。かつてのような正解が明確な時代では、経験豊富な上司が部下に指示を出すスタイルが効率的であった。

しかし、複雑な課題が増えた現代では、個々の従業員が自ら考え、状況に応じて柔軟に判断する「自律型人材」が求められている。コーチングは、相手に考える機会を与え、主体性を育むための有効なアプローチとして機能する。

コーチングの実践においては、「傾聴」「承認」「質問」という三つの基本スキルが重要視される。まず、先入観を持たずに相手の話を深く聴き(傾聴)、相手の存在や成長を認めて安心感を与え(承認)、その上で新しい視点や気付きを与える問いかけ(質問)を行う。

このプロセスを経ることで、受け手は自身の課題を整理し、納得感を持って行動に移すことができるようになる。ただし、知識や経験が不足している新人や、緊急の対応が求められる場面では、コーチングよりも具体的な指示を与えるティーチングの方が適している場合もある。状況や相手の熟練度に応じた適切な使い分けが肝要である。

(2025.11.22更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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