読み方 : ディーイーアイ

DEI【Diversity, Equity and Inclusion】DE&I

概要

DEIとは、企業経営や組織運営において、性別、人種、国籍、年齢、障害の有無、性的指向、価値観など、あらゆる違いを認め、それらを活かすための取り組み。公平な機会を確保し、誰もが参画しやすい組織環境を整える取り組みの総体である。
DEIのイメージ画像

「ダイバーシティ」(diversity:多様性)は、性別、年齢、人種、文化的背景、障害の有無など、多様な特性を持つ人々が組織に存在する状態を意味する。「エクイティ」(equity:公平性)は、個々の状況に応じて必要な支援や条件を整え、実質的な公平性を確保する考え方を指し、同じ待遇を与える平等(equality)とは区別される。「インクルージョン」(inclusion:包摂)は、多様な人材が排除されることなく、意見を述べたり能力を発揮したりできる受容的な組織文化を指す。

組織運営においてはDEIの各要素は単独では成立せず、三要素が相互に補完し合うことで効果を発揮すると理解されている。例えば、表面的に多様性が高まっても、公平な評価制度や心理的に安心して働ける環境が整わなければ、従業員の参画意欲や成果には繋がりにくいためである。

また、DEIは単なる社会的配慮ではなく、人材確保、組織的パフォーマンス向上、イノベーション促進、離職防止など経営面での利点との関連も指摘されている。組織では研修、評価制度の見直し、ハラスメント防止、柔軟な働き方の整備などを通じてDEI推進の取り組みが行われるが、これらは心理的安全性の向上や家庭の事情への対応などを通じて、多数派とされる人々にも恩恵をもたらす。

(2025.11.23更新)