フレンドリ名【friendly name】
概要

コンピュータやネットワーク機器は、内部では数字や英字の羅列で構成される識別子によって管理されている。例えば、インターネット上のサーバはIPアドレスで識別され、ネットワーク機器にはMACアドレスが割り当てられている。こうした識別子は機械処理には適しているが、人間には判別しづらく記憶にも残りにくい。
そこで、同じ対象に対して別途、分かりやすい名称を割り当てたものがフレンドリ名である。メールソフトでは、送信者のメールアドレスそのものではなく氏名や組織名が表示される。無線LANルータの管理画面では、接続機器一覧にIPアドレスと併せてフレンドリ名が表示されることがある。Bluetooth機器の検索画面でも、周囲の機器はフレンドリ名で一覧表示されるため、目的の機器を選択しやすい。
Windowsでは、デバイスマネージャやネットワーク設定画面などでフレンドリ名が使われる。複数のストレージ装置やディスプレイを接続した場合でも、利用者向けの名称で区別できる。フレンドリ名は利用者が任意に設定・変更できる場合が多く、「会議室プリンタ」「山田のPC」のように用途や設置場所を反映した名称を付けて運用される。一方、スマートフォンやBluetooth機器では、購入直後から機種名がフレンドリ名として登録されており、利用者が自分に合わせて変更する仕組みになっていることが多い。
また、Windowsの証明書ストアでは、デジタル証明書を複数導入する場合に区別できるようにするため利用者が任意に設定できる名前をフレンドリ名という。証明書を管理するシステムが内部的に利用する名前であるため、発行元やコモンネームなどとは異なり証明書を送信する相手には知らされない。
Windows ServerのIISでSSL/TLSを利用するため複数サイトのSSLサーバ証明書を導入する場合や、Webブラウザから業務システムや金融機関のネットサービスを利用するためWindowsにクライアント証明書を導入する場合などにフレンドリ名による区別が行われることがある。オプションであり設定しなくても運用に支障はない。
フレンドリ名はあくまで表示用の名称であり、システム自体は裏側で本来の識別子を基準に動作している。利用者が画面上でフレンドリ名を選択すると、システムが自動的にそれを本来の識別子へ変換して処理を実行する。フレンドリ名を変更しても機器固有のIDや通信設定には影響しないことが一般的で、同じフレンドリ名を複数の機器に設定できる場合もある。