UDDI 【Universal Description, Discovery, and Integration】
概要
UDDI(Universal Description, Discovery, and Integration)とは、Webサービスの所在情報などをXML形式のデータで収集し、検索・紹介できるようにしたシステム。標準仕様を定める団体の名称もUDDIであるため、区別して団体を「UDDIプロジェクト」(UDDI Project)と呼ぶこともある。企業などがネットワーク上で運用しているWebサービスに関する情報を集積し、業種や名称、機能、対象、詳細な技術仕様などで検索可能にし、接続や利用をある程度自動化することができる。必要なときに必要なサービスを探し出してサービスを利用することが容易になるため、従来のような特定の得意先との固定的な取引を超えて、電子受発注などの活性化に繋がると期待された。
Webサービスを提供する企業は、自社のサービスを「UDDIレジストリ」と呼ばれるリストに登録することができる。UDDIに参加するWebサービスは、SOAPと呼ばれるXMLベースのプロトコルによる通信に対応している必要がある。UDDI自身も一種のWebサービスであり、SOAPによる通信やWSDLと呼ばれるWebサービス記述のための標準のXMLマークアップ言語を用いる。
UDDIレジストリ (UDDI registry)
UDDIでWebサービスを検索するためのデータベース。登録される情報はXMLによって記述される。
その種別によって大きく4つのカテゴリに分けられる。Webサービスを提供する企業の名称や連絡先などを登録する「ホワイトページ」、業種やサービスの種類を登録する「イエローページ」、Webサービスの技術情報を登録する「グリーンページ」、Webサービスの仕様を登録する「tModel」の4つである。
Webサービスの運営主体は、定められた書式に従ってこれらの情報をUDDIレジストリに登録することで、WebサービスをUDDIに公開することができる。IT大手が自社Webサイトなどで公開し、互いにデータを交換しあって内容が一致するように調整されていた。
パブリックUDDI (public UDDI)
インターネット上に公開されたWebサービスの検索・照会システムをパブリックUDDIという。
インターネットを通じて誰でも登録・利用することができるUDDIレジストリで、当初は構築・普及が推進されたが、知らない企業間でのサービスの接続や利用は決済や信用の問題があり、期待したほど普及しなかった。
プライベートUDDI (private UDDI)
企業内や企業グループ内など限られた当事者間でのみ運用されるWebサービスの検索・照会システムをプライベートUDDIという。
インターネットに対しては非公開で、閉じたネットワーク内でのみ参照可能なUDDIレジストリである。身元や契約関係が整理された相手先のみと接続されるため、効率的にシステムを運用できる。インターネット上に公開されるパブリックUDDIより広く利用された。