Ruby on Rails 【RoR】
概要
Ruby on Rails(RoR)とは、プログラミング言語のRubyを応用した、Webアプリケーション開発のためのフレームワーク。オープンソースとして公開されており、数多くのWebサービス開発に利用されている。Ruby言語で記述されたMVC(Model-View-Controller)アーキテクチャに基づくWebアプリケーションを迅速に開発するためのツールを提供する。汎用的なアプリケーションの雛形を用意しており、データの構造を定めたモデル、利用者への表示や操作を受け付けるビュー、モデルとビューを制御するコントローラの三つの要素の基本的なコードを自動生成することができる。
データベース上のデータとRuby上のクラスを対応付けて管理するActive Recordと呼ばれるO/Rマッピング機能を内蔵しており、開発者がどのようなデータ集合を扱うかを一度宣言するだけで、テーブルやレコードの定義、対応するクラスやメンバ変数の定義などが自動生成され、コードや対応関係の定義などを省略することができる。
「設定より規約」(CoC:Convention over Configuration)と呼ばれる基本原則を掲げており、データベースやプログラム中に現れる様々な要素について、その命名規則や対応付け、相互変換などについて詳細な標準規約が定められている。開発者は個別のアプリケーションで必要となる要素をRailsの規約に従って一度だけ宣言すれば、煩雑な設定ファイルやプログラムコードの記述の大半を省略できる。
Webアプリケーションの基本動作である、データの作成(Create)、読み込み(Read)、更新(Update)、削除(Delete)のCRUDについて、各動作を行うためのURL(サーバ上のパス)とHTTPメソッド(GETやPOSTなど)の組み合わせが標準で定められており、この規約に従えばモデル上のデータを扱うCRUD機能の大半を自動的に用意することができる。
Ruby on Railsはデンマーク出身で米37signals社の開発者だったデビッド・ハイネマイヤー・ハンソン(David Heinemeier Hansson)氏が2004年に開発し、オープンソースソフトウェアとして公開した。RubyによるWeb開発を迅速化、省力化できるとして人気を博し、商用のWebサービスでも多くの採用例が知られている。