読み方 : かんさ

監査【audit】

概要

監査とは、企業や団体の業務や会計処理が、法令や基準に従って適正に行われているかを、独立した立場から検証し評価する仕組み。社会的な信頼を担保するために不可欠なプロセスであり、会計や業務、ITなど対象や目的ごとに行われる。
監査のイメージ画像

ビジネスにおいて最も一般的かつ重要な監査は、上場企業などに法律で義務付けられている「会計監査」である。これは、企業が作成した決算書に粉飾などの虚偽や重大な誤りがないかを、外部の専門家である公認会計士や監査法人がチェックするものである。

投資家や銀行などの利害関係者は、企業自身が発表した数字をそのまま鵜呑みにすることはできないため、独立した第三者による「お墨付き」を必要とする。この監査証明があって初めて、財務情報は信頼に足るものとして市場で扱われるようになる。

また、外部の専門家による監査だけでなく、組織内部の規律を守るための仕組みも存在する。社内の独立した部署が業務の効率性や不正の有無を調べる「内部監査」や、株主の代表として監査役取締役の職務執行を監督する「監査役監査」などである。

会計監査、内部監査、監査役監査を合わせて「三様監査」と呼び、相互に連携することで企業のガバナンス(統治)を強化している。最終的に監査人は、調査結果に基づき「監査報告書」を提出する。監査は単なるミス探しではなく、資本市場の健全性と透明性を守るための重要なインフラとしての役割を果たしている。

(2025.11.22更新)