FOMA 【Freedom Of Mobile multimedia Access】

概要

FOMA(Freedom Of Mobile multimedia Access)とは、NTTドコモの第3世代(3G)方式による携帯電話サービス3G(IMT-2000)標準の一つであるW-CDMA方式の音声通話および移動体データ通信サービスで、2001年に開始された。

ドコモは第2世代(2G)の「mova」(ムーバ)サービスでは独自のPDC方式を利用していたが、3Gでは同社も積極的に技術開発・標準化に携わった国際標準の一つ、W-CDMA方式を採用した。ただし、世界で最も早くサービス開始したこともあり、後に欧米などで導入されたUMTS標準とは仕様の細部が微妙に異なり、2004年頃までは一部の端末互換性がなかった。

movaと比較して通話音声の品質、データ通信速度が向上しており、標準では回線交換方式で64kbpsキロビット/秒)、パケット交換方式上り端末→基地局方向)64kbps下り基地局端末)384kbpsでの通信が可能となった。2006年に開始したデータ通信を高速化するHSDPAHSPA)方式のFOMAハイスピードではさらに下り最高3.6Mbpsでの通信が可能で、2011年には14Mbpsに高速化された。

movaサービスに引き続きiモードなどの情報サービスが提供され、さらにパソコンなどを接続してのデータ通信も活発に利用されるようになった。データ通信の需要増大に応え、従来の従量制パケット課金に加えてパケット定額制パケ・ホーダイおよび派生プラン)の料金プランが導入された。

加入者の識別情報はFOMAカードと呼ばれる小さなICカードに記録され、これを端末に挿入して使用する。この仕組みは諸外国では2GGSM)時代に導入されたもので、規格名としてはUIMカード、より一般的な名称としてはSIMカードとして知られる。

movaからFOMAへの加入者の移行は順調に進み、movaは2008年に新規受付を終了した(2012年サービス終了)。2010年末に後継の第4世代(4G)とも第3.9世代とも呼ばれるLTE方式(4G)の携帯電話サービスXi」(クロッシィ)が開始され、FOMAから加入者が移行しつつある。

FOMAハイスピード

NTTドコモ携帯電話サービスFOMAにおける高速なパケット通信サービス。2006年に開始され、W-CDMAの拡張仕様HSDPAHSPA)を利用して当初は下り基地局端末)最高3.6Mbps、2011年には同14Mbpsまでの受信に対応した。

対応端末では追加料金や明示的な利用契約など無しで自動的に高速な通信モードを利用できる。同社ではFOMAハイスピードに対応した通話エリアを「FOMAハイスピードエリア」と呼んでおり、2006年の開始当初は東京23区などが対象だったが、順次拡大され、2008年に人口カバー率100%を達成した。2009年には上り端末基地局)方向を高速化するHSUPAにも対応し、最高5.7Mbpsでの送信が可能となった。

(2018.5.15更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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