S.M.A.R.T. 【Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology】
概要
S.M.A.R.T.(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)とは、ハードディスクやSSDなどのストレージ(外部記憶装置)製品に内蔵される自己診断機能の規格の一つ。現在の装置の状態を測定あるいは記憶し、コンピュータなどに知らせることができる。数十の検査項目が定義されており、それぞれについて現在の値(value)、これまでの最悪の値(worst)、閾値(threshold)、測定した生の値(raw value/data)の4つの状態を報告することができる。
現在の値は測定値から一定の基準や方式で算出した、現在の状態を表す指数で、通常は最良値を100とするパーセンテージで表される。閾値は製造元が定義した故障や破損を警戒すべき目安となる値で、現在の値がこれを下回ったら買い替えやバックアップなど何らかの対応を取った方が良いとされる。
ただし、値の変動とは無関係に何らかの要因で突然故障することもあるため、状態を監視していれば必ず故障を予知できるというわけではない。
装置の種類に依らず共通の項目と固有の項目があり、例えばデータ伝送速度(Throughput Performance)や出荷後の通電時間の合計(Power-On Hours)、装置の現在温度(Temperature)などは共通して利用される。
ハードディスク(HDD)の場合にはこれに加えてシークエラーの頻度(Seek Error Rate)やスピンドルモーターの始動・停止回数(Start/Stop Count)などの項目が設定されている。SSD(Solid State Drive)の場合にはメモリ素子の書き込み回数の合計(Total Wear Level Count)や消去回数の合計(Total Erase Count)などの固有の指標が利用できる。
(2019.7.20更新)