読み方 : きょうそうせいげん
競争制限
概要
競争制限とは、事業者の行為によって市場における競争が妨げられ、価格や取引条件が自由に決まらなくなる状態。また、そのような競争阻害的な行為。独占禁止法では、公正で自由な競争を確保するため、そのような行為を禁止している。

市場での事業者間の競争が実質的に阻害された状態であり、取引価格が需給などに依らず人工的に維持されたり、品質やサービスの向上が妨げられたりする。代表的な例として、私的独占、不当な取引制限(カルテルや談合)、不公正な取引慣行が挙げられる。
私的独占とは、事業者が単独または他の事業者と共同して、他の事業者の自由に活動できない状態を作り出す行為である。市場での支配的な地位を濫用し、新規参入を妨げたり、競合他社を市場から締め出したりする行為が該当する。
不当な取引制限には、いわゆるカルテルや入札談合などが含まれる。複数の事業者が結託し、価格や生産数量、担当する地域や案件などを取り決めることによって、本来あるべき競争をなくしてしまう行為である。例えば、ライバル企業同士がひそかに相談して販売価格を統一した場合、消費者は価格競争による恩恵を受けられなくなり、競争が損なわれることになる。
不公正な取引慣行には、優越的地位の濫用や差別対価などの、立場の弱い取引先に不利益を強いる行為が該当する。下請け事業者や販売店などの取引先に一方的に不利な取引条件を押し付けたり、対価を支払わず業務を手伝わせたり、正当な理由なく取引を拒絶したりする行為などが含まれる。
(2025.11.27更新)