動的配列 【dynamic array】 可変長配列 / variable-length array

概要

動的配列(dynamic array)とは、プログラミングで用いられる配列変数の一種で、長さ(要素数)が固定的に決まっておらず、実行時に必要に応じて要素を追加、削除することができるもの。

配列は一つの識別名で複数のデータを扱うことができるデータ構造で、個々の要素は自然数などの添字で識別される。動的配列はこのうち、宣言時に長さを指定せず、あるいは指定した長さを後から変更することができ、実行時に動的に要素を増減できるものを指す。

あらかじめ必要な要素数が分からない処理を行う場合にコードを簡潔に記述でき、不要になった要素を削除して記憶領域を効率的に活用することもできる。固定長配列とは内部的な実装が異なっており、性能上は不利になることが多い。

Visual BasicおよびVBAのDim/RedimやJavaArray/ArrayListように静的配列と動的配列の両方が用意されていて使い分けることができるプログラミング言語もあるが、JavaScriptのように配列がすべて動的配列として実装されている言語もある。

一方、宣言時に要素数を指定し、以降は長さを変更できない配列を「静的配列」(static array)あるいは「固定長配列」(fixed-length array)という。動的配列が登場するまでは配列といえば静的配列のことだったため、昔からある言語では仕様上は静的配列しか用意されていないこともある。

(2023.7.7更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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