読み方 : おもみ

重み【weight】ウェイト

概要

重みとは、統計解析や機械学習の分野において、複数の要素の影響を加味して一つの結果を得る際、各要素の相対的な重要度を示す値のこと。回帰分析ニューラルネットワークなど、複数の入力から一つの結果を予測するモデルにおいて、各入力が結果にどれだけ重要であるかを決定する係数である。
重みのイメージ画像

最も古典的な用例は、線形回帰分析における回帰係数である。予測したい目的変数を入力である説明変数の線形和(係数を乗じた値の和)で表現する際、それぞれの説明変数に乗じられる係数が重みである。この値が大きいほど、その説明変数目的変数の予測に強く影響していることを意味し、逆に重みが極めて小さな値(またはゼロ)であれば、その変数は予測にほとんど寄与していないことを表す。

ニューラルネットワークでは、重みは各層のノード間の接続の強さを表すパラメータである。前の層のノードが出力した信号は、この重みを乗じて次の層のノードに伝達される。ニューラルネットワークの学習(訓練)とは、与えられた学習データと正解との誤差(損失)を最小化するように、各ノード間の重みを調整していくプロセスである。

機械学習における重みの最適化には、勾配降下法などのアルゴリズムが用いられ、モデルが学習データに内在する特有のパターンや特徴を学習することを可能にする。 重みはバイアス(前の層からの出力の重み付き和に加算するノード固有の値)と共にモデルの内部状態を規定するパラメータであり、モデルが学習によって獲得した知識や規則などを数値として保持する役割を果たしている。

(2025.12.5更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。