Adobe 【アドビ】

概要

Adobe(アドビ)とは、米国のソフトウェア企業の一つで、プロフェッショナル向け画像編集ソフトウェアなどの世界最大手。正式社名は “Adobe Incorporated” で、本社は米カリフォルニア州サンノゼ。1982年創業。“adobe” は日干しレンガの意。

業務用途の画像処理やグラフィックス編集、デジタル印刷製版(DTPDesktop Publishing)関連の製品に強みを持ち、近年ではWebコンテンツ制作のためのソフトウェアにも力を入れている。

主な製品

代表的な製品はフォトレタッチソフトの定番である「Adobe Photoshop」(フォトショップ)、ベクタ画像作成・編集ツールの定番である「Adobe Illustrator」(イラストレーター)、DTP編集ソフト「Adobe InDesign」(インデザイン)などで、これらを含むパッケージ製品「Adobe Creative Cloud」(Adobe CC)を登録利用者に月額料金制で提供している。

環境を問わず文書を同じように表示・印刷できる文書ファイル形式である「PDF」(Portable Document Format)や、その作成・編集や出力に用いられる「Adobe Acrobat」(アクロバット)および「Acrobat Reader」もインターネット上の文書配布の事実上の標準として広く普及している。

また、ベクタ画像(図形)のアニメーションを中心とする複合的なWebコンテンツWebアプリケーションを作成・公開できるWebブラウザ拡張機能Adobe Flash」(フラッシュ)および「Flash Player」「Adobe AIR」にも注力し、この分野では支配的な影響力を持っていたが、こちらは2020年限りで終息することが発表されている。

歴史

米ゼロックス(Xerox)社のパロアルト(Palo Alto)研究所に在籍していたジョン・ウォーノック(John Warnock)氏とチャールズ・ゲシュケ(Charles Geschke)氏が1982年に独立して「Adobe Systems」(アドビシステムズ)社を創業した。

当初は、主に当時の米アップルコンピュータApple Computer/現Apple)社のMacintoshマッキントッシュ/現MacmacOSシステム向けに、PhotoshopIllustratorなど現在にも続く定番商品を含むグラフィックやデザイン関連のソフトウェア開発・販売していた。

その後、これらのソフトWindows版の投入や動画編集ソフト「Adobe Premiere」(プレミア)などにより業容を拡大、PDF/Acrobatによってインターネット分野にも進出する。2005年にはデジタルコンテンツ作成ソフト大手の米マクロメディア(Macromedia)社を買収し、FlashやDreamweaver(ドリームウィーバー)、ColdFusion(コールドフュージョン)などWeb関連のソフトウェアを大幅に強化した。

2012年には、Photoshopなどを含む主要なソフトウェア製品の買い切り型が販売方式を打ち切り、全面的に購読型(サブスクリプション制)へ移行、月に一定額の使用料金を支払っている期間だけ手元のソフトが起動する仕組みとなった。

(2019.7.18更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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