Adobe【アドビ】
概要

米ゼロックス(Xerox)社のパロアルト研究所出身のジョン・ウォーノック(John Warnock)氏とチャールズ・ゲシュケ(Charles Geschke)氏が創業した。社名の由来は創業者の自宅近くを流れる小川、アドビ川(Adobe creek)からとされており、“adobe” という単語自体は「日干しレンガ」を意味する。
創業当初は、当時の米アップルコンピュータ(現アップル)社の「Macintosh」(現Mac)向けにグラフィック、デザイン関連ソフトウェアを開発・販売しており、現在も主力製品である「Adobe Photoshop」や「Adobe Illustrator」はこの時期に生まれた。現在はWindowsなど様々な環境向けに製品を提供している。
製品面では、フォトレタッチソフトの定番「Adobe Photoshop」、ベクター画像作成・編集ツールの「Adobe Illustrator」、DTPソフト「Adobe InDesign」、動画編集の「Adobe Premiere Pro」、モーショングラフィックスの「Adobe After Effects」、UI/UXデザインツール「Adobe XD」などが広く知られている。
これらはサブスクリプション型サービス「Adobe Creative Cloud」(Adobe CC)としてパッケージ提供されており、常に最新版を利用できる。従来の買い切り型販売からCreative Cloudへの全面移行(買い切り版の販売終了)は2012年に行われ、ソフトウェア業界のサブスクリプションモデルへの転換を象徴する出来事の一つとして知られる。
文書フォーマットの分野では、環境を問わず同一の表示・印刷を実現するファイル形式「PDF」(Portable Document Format)をAdobeが策定し、インターネット上の文書配布の事実上の標準として普及させた。PDFの作成・編集・閲覧には「Adobe Acrobat」および無償の「Acrobat Reader」が用いられており、ビジネス文書から公的機関の書類まで幅広く利用されている。
インターネット分野の強化のため、2005年に米マクロメディア(Macromedia)社を買収し、「Flash」「Dreamweaver」「ColdFusion」などWeb関連製品を取り込んだ。Web制作分野での存在感が大幅に高まったが、FlashはiPhoneでの対応が打ち切られたことやセキュリティ上の問題から2020年にサポートが終了している。近年では、AIを活用した画像生成、編集機能「Adobe Firefly」をCreative Cloud製品群に統合しており、生成AIをクリエイティブ業務に組み込む取り組みを進めている。