Adobe Photoshop

概要

Adobe Photoshopとは、米アドビ・システムズ(Adobe)社の画像編集ソフト。主に写真などのビットマップ画像を編集・加工する「フォトレタッチソフト」と呼ばれる分野で事実上の標準となっている著名なソフトウェア製品である。

画像の描画や編集のための豊富な機能を備え、多彩なブラシやペン先を用いた図形やフリーハンドによる描画、特定の箇所の切り抜きや複製、貼り付け、複数の画像の合成、色調や明るさ、コントラストなどの調整や変更、特殊効果を施すフィルタ、複数の層(レイヤー)を組み合わせて一枚の画像を構成する機能などが利用できる。後から機能を追加するプラグインの機構を備えており、同社や他社による様々な追加機能が販売・公開されている。

独自の画像形式としてPSD形式.psdファイル)を規定しており、情報を欠くこと無く完全な状態で保存するにはこの形式を用いる必要がある。同時に、JPEGGIFPNGBMPTIFFEPSなど様々な形式の画像データの読み込み・書き込みにも対応しており、プラグインにより対応形式を増やすこともできる。

主に出版・印刷・デザイン業界などで業務用に用いられ、写真の加工からデザインやイラストレーションの作成まで幅広い用途に用いられる。高度な機能などを制限した個人向けの廉価版(Photoshop Elements、Photoshop LEなど)も提供されており、デジタルカメラ製品などに同梱されている。

最初のバージョンは1990年に当時のアップルコンピュータApple Computer)社のMacintoshマッキントッシュ)向けに発売され、デザイン業界ではAdobe Photoshopを利用するためのMacを導入するほどの人気を博した。2003年には「Photoshop CS」が正式名称となり、同社のデザイン関連ソフトウェアの統合パッケージ「Adobe Creative Suite」(Adobe CS)の構成要素の一つと位置づけられるようになった(単体購入も可能)。

2013年には「Photochop CC」に再び改称され、同社製ソフトウェアの利用権を期間毎に購入するサブスクリプション方式のサービス「Adobe Creative Cloud」に組み込まれた。パッケージの店頭販売は原則行われなくなり、同社サイトからソフトウェアダウンロード後、一定期間分の利用料金を支払うことで起動できるようになる。

(2018.5.11更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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