Z-Wave
1GHz未満(サブギガヘルツ帯、概ね700~900MHz程度)の無線周波数帯のうち免許が不要な周波数帯の電波を利用し、日本では920MHz帯を用いる。30m程度までの距離を9.6kbps(キロビット毎秒)から40kbpsの速度で通信することができる。
自律的に網状(メッシュ状)のネットワークを構築する仕様があり、直接通信できない距離や位置にある機器でも、中間にある機器がデータをバケツリレー式に中継することで通信できるようになる。最大4回までリレーすることができる。
コンピュータ向けの無線LAN技術などに比べ通信速度は遅く、人間が端末を操作して情報を送受信する用途には向いていないが、低消費電力の小規模な回路で通信することができ、電池駆動の機器でも長期間稼働させられるよう配慮されている。宅内での電化製品や照明器具などの監視や制御(HEMS/スマートホーム/ホームオートメーション)、屋内や屋外の比較的狭い範囲でのセンサネットワークの構築など、無人の機器や装置を相互に繋ぐ用途に用いられている。
Z-Waveは1999年にデンマークのゼンシス(Zensys)社が開発・発表した。仕様の策定や普及、相互運用性確保のための認証プログラムの運用などは同社を中心に設立された業界団体Z-Waveアライアンス(Z-Wave Alliance)が担っている。同社は2008年に米シグマデザイン(Sigma Designs)社に買収されている。物理層の仕様はITU-TによってG.9959規格として標準化されている。
(2024.1.19更新)