センサネットワーク 【WSN】 Wireless Sensor Network

概要

センサネットワーク(WSN)とは、電源と無線通信機能を内蔵した小型のセンサー機器を分散して設置し、それら協調して動作させることで、施設や設備の監視・制御や、環境や空間の観測などをなう通信ネットワークのこと。

ネットワークを構成する小型の機器(センサノード)は、電池やセンサー装置、無線通信チップ、アンテナ、装置の制御やデータの記録・処理のための超小型コンピュータ(極小の電子基板や単体のICチップとして実装される)などで構成され、設置から電池切れまで長時間(長ければ数年間)自律的に動作し続けることが求められる。

無線通信システムは固定的な中継設備などを介さなくても複数の機器が協調してバケツリレーデータを運び、制御施設・設備から最寄りのノードを介してネットワーク内のデータを収集できるようになっていることが多い。センサネットワークでの利用に適した、低速だが省電力で長距離を伝送できる通信規格(LPWA:Low Power Wide Area)も提唱されている。

もとは戦場での索敵や状況把握を有利に進める軍事技術として発展したものだが、民生用でも様々な分野で応用されている。工場やビルなどで構内の設備や機器の監視や制御をったり、公共インフラや交通システムで管理施設から離れた場所を監視したり、環境保護や気象予測、災害対策のため大気や海洋、地殻などの状態を観測・計測したりといった用途での普及が期待されている。

センサネットワークの概念をさらに発展させ、世の中の様々なモノに通信機能を内蔵してインターネットで相互に結び、自動認識や自動制御、遠隔制御など様々な用途に応用することを「IoT」(Internet of Thingsモノのインターネット)という。

(2020.6.4更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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