NVIDIA 【エヌビディア】 ヌビディア / エンビディア
概要
NVIDIA(エヌビディア)とは、パソコン向けのグラフィックスチップ(GPU)やこれを応用した人工知能向けチップなどの半導体製品における世界的大手の一角。本社は米カリフォルニア州サンタクララ。社名の由来は「予見する」などを意味する英単語 "envision" から。3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)の描画処理に必要な並列演算回路に強みを持ち、「GeForce」シリーズで知られるパソコン向けのGPU(Graphics Processing Unit)製品や家庭用ゲーム機に内蔵されるGPU製品などでよく知られている。
GPUを発展させた高性能コンピュータ向けの並列処理プロセッサや、GPUとARM系CPU(マイクロプロセッサ)を一つのチップに統合した携帯機器向けプロセッサ(SoC:System-on-a-Chip)なども手掛けている。チップの生産は専門のメーカーに委託し、自らは生産設備を所有しないファブレスメーカーとして知られる。
歴史
1993年に米LSIロジック(LSI Logic)社出身者らを中心に設立され、当初からパソコン向けグラフィックスチップを開発していたほか、パソコンのマザーボードに搭載する制御用チップ(チップセット)などを手がけていた。1990年代後半にはライバルのカナダATIテクノロジーズ(ATI Technologies)社と市場を二分する大手に成長した。
2006年にATI社がパソコン向けCPU大手の米AMD社に買収され、半導体市場の中心がパソコンからスマートフォンなど携帯機器へ移行すると、パソコン向けチップセット市場からの撤退やモバイル向けSoC市場への参入、GPU製品のスーパーコンピュータや人工知能(AI)システムなどへの用途拡大(GPGPU環境の整備)などの事業再編に取り組んだ。
2020年代には、人工知能技術のうち単純な数値計算を大量に繰り返す必要がある機械学習システム、中でも深層学習(ディープラーニング)や大規模言語モデル(LLM)などが脚光を浴びるようになり、同社が得意とするCG描画のための並列演算プロセッサを人工知能向けに転用するなどして急激に存在感を高めている。