AMD 【Advanced Micro Devices】 アドバンスト・マイクロ・デバイセズ
主にパソコン向けのCPUや対応するチップセット、グラフィックスプロセッサ(GPU)などの半導体チップを開発・販売している。近年ではCPUとGPUを一つのチップに統合した「APU」(Accelerated Processing Unit)と呼ばれる製品に力を入れている。
1969年に創業し、当初はIntel社と契約を結び同じ仕様の製品を生産するいわゆるセカンドソース事業を主力としていたが、同社との契約は終了し、Intelプロセッサと内部の設計は異なるが同じソフトウェアが動作する互換製品を独自に開発・生産するようになった。
同社との知的財産権をめぐる紛争などを経るも、1980年代以来パソコン向けCPU市場でIntel社に次ぐシェアを確保している。32ビットCPUまではIntel社製品の仕様を取り込んだ製品を開発していたが、64ビット化に際してAMD独自の「AMD64」方式が市場に浸透し、Intel社は自社のIA-54を放棄してこれに追従するという逆転現象も起きている。
主な事業の変遷
CPU事業などと共にフラッシュメモリ事業も手がけていたが、2004年に同部門は富士通と合弁のスパンション(Spansion)社として分離された(後に米サイプレス・セミコンダクター社に買収され、同社も独インフィニオン・テクノロジーズ社により買収)。
2006年にはパソコン向けGPU大手だったカナダのATI Technologies社を買収してCPU、チップセット、GPUを一貫して手がける体制となった。GPU製品はATI時代から引き継ぐ「Radeon」ブランドで単体で提供しているほか、CPUと統合した製品も提供している。
2009年には製造部門を半導体製造受託企業(ファウンドリ)のグローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries)社として分社化し、AMD本体は製造を手掛けないファブレス企業に転身した。2022年にはFPGA最大手の米ザイリンクス(Xilinx)社を買収した。