読み方 : けいえいもくひょう
経営目標
概要
経営目標とは、企業が経営理念やビジョンを実現するために設定する、一定期間内に達成すべき具体的な到達点のこと。組織全体が進むべき方向を明確に示し、経営戦略を実行に移すための道しるべとして機能する重要な指針である。

一般的に経営目標は、数値で測定可能な「定量目標」と、状態や質を表す「定性目標」に分類される。定量目標の代表例は、売上高、営業利益率、ROE(自己資本利益率)といった財務指標であり、これらは客観的な評価が容易であるため、多くの企業で最重要視されている。
一方、定性目標には、ブランドイメージの確立や顧客満足度の向上、企業風土の変革などが含まれ、数値には直接表れにくい企業の基礎体力を測る指標となる。近年では、環境・社会・企業統治を重視する「ESG経営」の浸透に伴い、脱炭素への貢献度や女性管理職比率といった非財務指標を経営目標の中核に据える企業も増加している。
経営目標の設定は、単なるノルマの提示ではなく、組織全体のベクトルを合わせるために不可欠なプロセスである。明確な目標が存在することで、各部門や従業員は自身の業務における優先順位を判断しやすくなり、組織としての統合性が保たれるからである。
また、期末に目標と実績を比較・分析することで経営課題が浮き彫りになり、次期の戦略を修正するためのPDCAサイクルを回すことが可能となる。効果的な目標設定のためには、具体的で測定可能、かつ達成期限が明確であることが望ましいとされ、これが組織の持続的な成長を支える基盤となる。
(2025.11.22更新)