コピープロテクト 【copy protect】 コピーガード / copy guard / コピープロテクション / copy protection

概要

コピープロテクト(copy protect)とは、情報記録媒体(メディア)に講じられる、記録内容の複製を防止するための技術的な措置のこと。音楽や映像、ソフトウェアなど著作物の販売に用いられる記録メディアでよく用いられるもので、著作者に無断でわれる不正な複製・配布を阻止するためにわれる。

磁気テープなどアナログメディアの時代から著作物の違法コピーの問題は存在したが、デジタルメディアでは複製が容易になり、何度複製を繰り返しても信号が劣化しなくなったため、海賊版の流通が社会問題化するようになった。これに対抗するため、様々な記録媒体や記録形式に複製を制限・防止するためのコピープロテクト技術が採用されるようになった。

音声や映像の複製防止

音楽CDのように、もともとの技術的仕様にコピープロテクトが含まれていなかったものは、後からコピープロテクト技術を追加・普及させようとしてもうまくいかないことが多い。DVDBlu-ray Discのビデオ記録仕様やデジタル放送には最初からコピープロテクトのための仕様が含まれており、対応していない機器では録画・再生などができないようになっている。

デジタル放送などでは複製を完全に禁止するわけではなく、ダビング10方式の「10回までコピー可能」というような制限がわれることがあり、このような方式は「コピー制御」「コピーコントロール」と呼ばれることもある。

ソフトウェアの複製防止

ソフトウェアコンピュータプログラム)のコピープロテクトには、販売パッケージごとに異なる英数字列(シリアルナンバープロダクトIDライセンスキーなどと呼ばれる)を添付し、コンピュータへの導入(インストール)時に入力を求める方式が長年用いられてきた。

この英数字列ごとコピーされる不正コピーが後を絶たないため、パッケージに同梱された専用のコネクタドングルと呼ばれる)をUSBポートなどに装着しないと動作しない方式や、インターネットを通じて開発元や販売元に利用登録をなったコンピュータでのみ動作するようにする「プロダクトアクティベーション」方式がよく用いられている。

コピー制御情報 (CCI)

デジタルデータの複製制御のために「コピー制御情報」(CCI:Copy Control Information)と呼ばれる符号データに付加して配布する場合がある。再生機器による読み込み時に、コピーの許可や禁止、制限などを指示することができる。

規格によって形式は様々だが、DTCPデジタル放送などで用いられる最も一般的なCCIは2ビット、4種類ので表現される。2進数で「00」(10進数で0、以下同)が「自由にコピー可」(Copy Freely)、「01」(1)が「これ以上のコピー不可」(Copy No More)、「10」(2)が「一度だけコピー可」(Copy Once)、「11」(3)が「コピー不可」(Copy Never)を表す。「10」に設定されたデータをコピーするとCCIが「01」に変更して記録され、そこから再びコピーすることはできなくなる。

(2024.6.21更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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