コピーワンス 【copy once】
概要
コピーワンス(copy once)とは、デジタルコンテンツの著作権保護方式の一つで、一度だけコピーを許可する方式のこと。また、そのような方式を実現するコピー制御技術。デジタル放送などで用いられることがある。デジタルデータは複製が容易で複製に伴う信号の劣化が起きないため、コンテンツの海賊版の流通が大きな問題となる。これを防ぐため、各種のコピープロテクト(複製防止)技術が用いられるが、複製を一切禁止する方式から一定の範囲で許可する方式まで幅がある。
コピーワンスは一度(一世代)だけ複製を許可する方式で、複製されたコンテンツは複製禁止が設定され再び複製することはできなくなる。テレビ放送では複製を完全に禁止してしまうとレコーダーへの録画(一度目の複製)自体が不可能になってしまうため、コピーワンスで機器側での複製の作成を禁じている。元のデータを消去して別のメディアに写し取るムーブ(移動)は許可される。
日本の地上デジタル放送、衛星デジタル放送では映像信号を暗号化して伝送し、正規に発行された「B-CASカード」を挿入した機器でしか放送内容を復号できないようにしている。2000年代初頭のデジタル放送の開始当初はすべてのチャンネルがコピーワンスを採用していた。
後に、あまりに制限が厳しすぎるとして総務省、放送業界、電子機器業界で協議した結果、BSデジタルや地上デジタルでは原則としてコピーを10回まで認める「ダビング10」方式が適用されるようになった。現在でも有料のCSデジタル放送などではコピーワンスによる放送を行うチャンネルがある。
(2024.6.21更新)