ラップ【wrap】ラッピング

別名  :wrapping/ラップする

ラップとは?

くるむ、包む、包装紙、終える、などの意味を持つ英単語。IT分野では、既存の機能やデータを別の要素で包み込んで扱いやすくする操作や、表示領域に収まりきらない文字列を次の行へ折り返す処理などを表すことが多い。音楽ジャンルの「ラップ」は英語では “rap” と綴る別の単語である。

プログラミングにおけるラップ

プログラミングでは、既存のクラスや関数、データ型などを内包し、異なるインターフェースや別の形で提供することを「ラップする」または「ラッピングする」という。こうして作られたクラスや関数は「ラッパー」(wrapper)と呼ばれる。元の実装を外側から包み、新たな窓口として機能する。

ラッパーは、引数や戻り値の形式を変換したり、エラー処理やログ出力などの機能を追加したりする用途に使われる。例えば、低レベルのAPI外部ライブラリを直接扱うと煩雑になる処理を、ラッパーを介してより簡潔に呼び出せるようにする場合がある。また、既存のコードを変更せずに機能を追加・制限したいときにもラッパーを挟む手法が取られる。

異なるプログラミング言語や実行環境の間でライブラリを共用する場面でもラッピングが行われる。C言語で作成されたライブラリPythonJavaなどから利用するためのラッパーが提供されるといった例がある。オブジェクト指向設計においては「Decoratorパターン」や「Adapterパターン」がこれに相当し、異なるインターフェースを持つコンポーネント間の橋渡しに活用される。

組版におけるラップ

文字組版の分野では、文字が表示領域の幅に収まりきらない場合に次の行へ折り返す処理をラップという。単語の途中で途切れないよう単語単位で折り返す制御を「ワードラップ」(word wrap)、行末で折り返すことを「ラインラップ」(line wrap)と呼ぶ。Webページの見栄えを記述するCSSでは「word-wrap」や「white-space」といったプロパティでこの挙動を制御でき、各種ソフトウェアの設定項目でも改行や折り返しに関する属性名として “wrap” が広く使われている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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