色空間 【color space】 カラースペース
概要
色空間(color space)とは、色の特性をいくつかの互いに独立した要素の組み合わせとして記述し、色の範囲を空間や立体に、個別の色を空間内の座標として表現したもの。色を3~4つの数値化された成分の合成と捉え、各成分を空間上の座標や角度などに対応付けることで、色を空間上の点として表すことができる。その表現法で表すことができるすべての色の集合は、立方体や円柱、円錐、球など何らかの幾何学的な立体図形に対応する。
コンピュータで色を扱う場合、ディスプレイなど発光する装置に対する色指定の方法としては赤・緑・青の光の三原色の強度を指定する「RGB色空間」が、プリンタ(印刷物)など反射光を利用する装置に対してはシアン・マゼンタ・イエローの色の三原色で指定する「CMY色空間」が用いられることが多い。
この他にも、色見本などで用いられる「HSL色空間」(またはHLS色空間)や「HSV色空間」、放送用の映像信号などで用いられる「YUV色空間」(YCbCr/YPbPr)、国際照明委員会(CIE)が色の物理的な特性をもとに定めた「XYZ色空間」や「L*a*b*色空間」などがよく知られている。
同じ色空間(例えばRGB)を用いるシステムでも、機器や媒体の光学特性の違いなどから同じ値の指定で同じ色が再現できるとは限らないため、色の指定をCIE標準などの物理的な表現形式に変換する規則を定める場合がある。狭義の色空間はこの変換方式を指す場合があり、ディスプレイ装置などで用いられる「sRGB」や印刷分野の機器で用いられる「Adobe RGB」などの標準がある。
(2021.9.17更新)