読み方 : エスエックスジーピー

sXGP【shared eXtended Global Platform】

概要

sXGPとは、TD-LTE方式を用いて構内に独自の携帯電話網を構築する自営通信の日本国内規格。自営PHSの後継にあたり、企業や病院、工場などが自ら基地局を設置し、施設内のスマートフォンやIoT機器などを無線で接続できる。

1990年代に簡易型携帯電話として普及した「PHS」(Personal Handy-phone System)は、「XGP」(eXtended Global Platform)、「AXGP」(Advanced XGP)と技術を高度化してきたが、公衆通信サービスとしては2023年3月に終了し、以後は自営通信専用の規格として運用されている。

sXGPはこれらの方式の後継規格にあたり、仕様は一般社団法人電波産業会(ARIB)の「ARIB STD-T118」で定められている。電波の周波数帯は、以前からコードレス電話向けに使われてきた1.9GHz帯を割り当てられている。この帯域は無線局免許が不要であり、Wi-Fiと違って電子レンジなどの家電と電波が干渉しにくい。旧来のPHS方式などと周波数を共用する形となるため、名称に “shared” が付いている。

通信方式

通信方式には4G携帯電話のLTE規格の一部であるTD-LTE方式を流用し、上りと下りの通信を時間で分けて同一周波数帯を用いる。音声通話にVoLTEを利用でき、SIMカードによる認証で高いセキュリティを確保できる。移動中も通信が途切れにくいハンドオーバー機能を持つため、施設内を移動しながらの通話や、無人搬送車(AGV)など移動体の制御にも向く。

当初は5MHz幅のチャネルで下り約12Mbps、上り約4Mbps程度の通信速度であったが、2024年の制度見直しにより複数周波数や10MHz幅の利用が可能となり、通信容量が拡大された。同年の規格改定では、構内の屋外上空でsXGP対応ドローンを利用する場合の規定も追加されている。

主な用途

利用形態としては、工場のような広大な施設を運用する事業者がスマートフォンを内線電話として使う自営通信のほか、センサーや制御機器を連携させるIoTの無線通信インフラとしての利用が見込まれている。デュアルSIM対応のスマートフォンやiPhone、iPadでも利用できるようになるなど対応端末が広がり、企業や自治体が構築したsXGPネットワークと携帯キャリアの公衆網とのローミングについても制度上の検討が進められている。高精細映像のような大容量データ通信には向かないものの、音声通話やデータ通信を同じ無線基盤で扱える点から、ローカル5Gと並ぶ自営無線の選択肢として導入が広がっている。

(2026.9.15更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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