読み方 : データくどうしゃかい
データ駆動社会【data-driven society】
概要

データ駆動社会では、個人の行動、経済活動、社会インフラなどから生まれる膨大なデータが記録され、活用される。従来の経験や勘に基づく判断ではなく、客観的なデータに基づいた意思決定が可能となる。行政サービスの向上、製造業における生産最適化、流通の需要予測、医療における診断支援など、多様な領域で業務の効率化や精度の高い判断が可能になる。
特に、人工知能、とりわけ機械学習の発展は、データからパターンを抽出したり予測を行ったりするプロセスを高度化、自動化し、社会システム全体の運用をより柔軟かつ合理的にする新たな基盤として期待される。また、データの相互利用やオープンデータ化が進むことで、新たなサービス創出や地域課題の解決にも寄与するとされる。
一方で、個人情報やプライバシーの保護、データ漏洩のリスクなどへの対策が求められ、制度の整備や透明性の確保が課題となっている。特に、データの偏り(バイアス)によって差別的な意思決定が助長されたり正当化されてしまうデータ駆動の不平等・不公正は新たな社会問題として認識され、これを防ぐための技術的・制度的な対策が急務となる。
(2025.11.24更新)