コア 【core】
概要
コア(core)とは、核、芯、中心、核心などの意味を持つ英単語。日本語の外来語としても複合的な構造物の中心部分のことを指す用例が多い。マイクロプロセッサのコア
マイクロプロセッサ(CPU/MPU)の内部で、独立して機能する演算・制御装置のことをプロセッサコアあるいは略してコアという。複数のコアを搭載したプロセッサをマルチコアプロセッサという。
もともと演算や制御を行う回路群は一つだったが、一枚のチップ内に同じ回路群を複数形成し、それぞれ独立して動作させる設計手法が登場し、このひとまとまりの回路群のことをコアと呼ぶようになった。ソフトウェアからはコアの数だけ複数の独立したプロセッサが搭載されているように見え、並列処理を行うことができる。
また、プロセッサコアと直接の関係はなく若干紛らわしいが、米インテル(Intel)社の主力のx86系マイクロプロセッサの製品シリーズ名を「Intel Core」(インテル・コア)という。性能や価格によりCore i3、Core i5、Core i7、Core i9などのモデルに分かれる。
コアダンプ
一部のオペレーティングシステム(OS)では、実行中のプログラムがエラーで強制終了する際に、その時点でプログラムが使用しているメモリ空間の内容を丸ごと写し取ってファイルに保存したものをコアダンプ(core dump)あるいはコアファイル(core file)という。
かつてコンピュータのメインメモリに磁気コアメモリが用いられていた頃、その内容を丸ごと印刷したものが不具合の原因究明のために用いられたことが由来で、現在では磁気方式のメモリは使われていないが名称にその名が残っている。
光ファイバーのコア
光ファイバーの透明な芯材のうち、光信号を伝送する中心部の細い芯線をコアという。光ファイバーはガラスや石英、プラスチックなどの透明な素材でできているが、内部は屈折率の異なる素材を同心円状に重ねた2層構造になっており、中心側をコア、外側をクラッド(clad)という。
ネットワークのコア
大規模な通信ネットワークで、中心部の基幹回線網のことをコア(コアネットワーク)、末端部をエッジ(ネットワークエッジ)ということがある。通信事業者の広域回線網などではコアとエッジで通信方式や通信媒体、機器などが大きく異なっていることがある。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 知的財産高等裁判所「令和元年(行ケ)第10151号 審決取消請求事件 判決」(PDFファイル)にて引用 (2020年5月)