検証局【VA】Validation Authority
概要

「デジタル証明書」(digital certificate)は、通信相手の身元と公開鍵を結び付けて証明するデータである。利用者は通信に先立ち「認証局」(CA:Certificate Authority)に申請を行い、審査を経て公開鍵暗号の鍵ペアとともに証明書の発行を受ける。
認証局の機能は、申請者の身元を審査する「登録局」(RA:Registration Authority)、証明書を発行する「発行局」(IA:Issuing Authority)、発行済み証明書の有効性を管理する「検証局」(VA:Validation Authority)の3つに分かれる。単一の認証局がこの3つを兼ねることもあるが、大規模な公開鍵基盤ではこれらが個別のシステムとして分離・運用されることもある。
発行された証明書は、有効期限内であっても秘密鍵の漏洩や組織変更などにより、途中で失効することがある。検証局はこうした失効証明書のリストを集中管理し、外部からの問い合わせ窓口として機能する。照会を受けた証明書については、発行元の認証局の公開鍵で署名の真正性を確かめるとともに、現時点で失効していないかを調べ、有効・失効・不明といった形で照会元に回答する。
証明書の有効性確認には、「証明書失効リスト」(CRL:Certificate Revocation List)を定期的に取得して照合する方式に加え、近年では「OCSP」(Online Certificate Status Protocol)を用いてリアルタイムに1件ずつ問い合わせる方式が用いられる。検証局は「OCSPレスポンダ」(OCSP responder)として稼働し、高速な応答により利用者の通信を遅延なく確立させる役割を果たす。SSL/TLS通信では、サーバ側が事前に取得した応答を提示する「OCSPステープリング」(OCSP stapling)という構成が採られることもある。
証明書検証では、ルート認証局から中間認証局を経て対象の証明書へとつながる署名関係を順にたどるチェーン検証も行われる。検証局への問い合わせはこのチェーン検証と併せて実施されることが多く、Webブラウザの暗号化通信や電子署名を用いる際に証明書の信頼性を支える基盤となっている。失効情報の更新間隔やキャッシュの扱いは、検証結果の一貫性に影響する要素として運用上重視される。