Outlook Express
概要
Outlook Expressとは、米マイクロソフト(Microsoft)社が無償で提供していた電子メールクライアントソフト。Windowsに標準で組み込まれていたため2000年前後のインターネット普及期にWindows利用者の間で広く普及していた。WebブラウザのInternet Explorer(インターネット・エクスプローラー)と共にインターネット利用のためのソフトウェアとしてWindowsに標準で添付されていた。SMTPやPOP3、IMAP4など電子メール送受信のための標準プロトコル(通信規約)に対応し、メールサーバの種類を問わずメールの送受信が可能。
前身の「Internet Mail and News」の機能を引き継ぎ、初期にはNNTPによるNetNews(ネットニュース)の受信や投稿も可能だった。Microsoft Officeに含まれる「Outlook」(アウトルック)の簡易版という位置づけだったが、Outlookとは異なりMicrosoft Exchangeのグループウェア機能へのアクセスはできなかった。
パソコンやインターネットが急激に普及した時代に、購入したパソコンに最初からついてくるメールソフトであることが多かったため、初心者を中心に広く普及した。利用者の知識が乏しいこともあり、頻繁にコンピュータウイルスやインターネットワームの標的とされ、新たな保安上の欠陥(脆弱性)が発見される度に大規模なウイルス感染事案が発生した。
Windows 98からWindows XPまで標準的に用いられてきたが、Windows Vistaからは「Windowsメール」および後継の「Windows Liveメール」へ移行し、姿を消した。Windows 8以降は単に「メール」という名称のアプリがWindows標準のメールソフトとなっている。
(2022.7.10更新)