Xeon

概要

Xeonとは、米インテル(Intel)社のマイクロプロセッサ(MPU/CPU)製品のブランド名の一つで、いわゆるx86/x86-64(IA-32/Intel 64)系プロセッサのうちサーバワークステーションなど高性能・大規模なコンピュータ向けの製品群。

主力の製品ラインは「Xeon SP」(Xeon Scalable Processor)シリーズで、一台のコンピュータに搭載可能なプロセッサの数(ソケット数)と、プロセッサ内部で並列に動作可能な中枢部(プロセッサコア)の数で分類される。

最も高性能な「Xeon Platinum」は最大8ソケットに対応し、最大56コアまでの製品が用意される。これに次ぐ「Xeon Gold」はモデルにより2~4ソケット/24コアまで、「Xeon Silver」は2ソケット/16コアまで、最も廉価な「Xeon Bronze」は2ソケット/8コアまでとなっている。

コアハイパースレッディングHyper-Threading)機能により2つのプロセスを並行して実行できるため、ソフトウェアから見た並列度は実際に装着したソケット数と内部のコア数の積を2倍した数となる。

Xeon SP以外に、高密度サーバネットワーク機器などの組み込み用途向けのSoCSystem-on-a-Chip)製品「Xeon D」シリーズ、高性能ワークステーション向けの「Xeon W」シリーズ、普及型のサーバワークステーション向けの「Xeon E」なども用意されている。

Xeon Phi

Xeon Phi(ジーオン・ファイ)は2012年に新たに追加された製品シリーズで、多数のコアを統合したMIC(Many Integrated Core)アーキテクチャを採用している。

1プロセッサあたり57~72コアを内蔵し、主にスーパーコンピュータや大規模サーバに装着してCPUの処理を肩代わりする並列演算用の拡張カードPCI Express接続)の形で提供される。

大規模な並列処理が必要なシステムで用いられるが、似た機能のGPUとは異なりx86/x86-64アーキテクチャのフル機能のCPUであるため、x86系システム向けプログラムをそのまま実行でき、OSを独立に稼働させるといった使い方ができる。

歴史

1998年にPentium IIの派生製品として登場した「Pentium II Xeon」が最初で、その後、Pentium IIIの派生である「Pentium III Xeon」を経て、Pentium 4世代からは単に「Xeon」という製品名に改められた。

主力のプロセッサ製品がIntel Coreシリーズに移って以降も各製品世代に対応するXeonが存在するが、これらはモデルナンバーによって「Xeon 5500番台」「Xeon E5系」のように区別されている。

2000年代初頭、Intelでは高性能コンピュータ向けの主力製品ラインを、新たに開発した64ビット命令セットアーキテクチャIA-64」で設計された「Itanium」(アイテニアム)シリーズに移行することを試みたが、互換性や性能の問題から市場にまったく受け入れられずに終息し、Xeonシリーズの強化・拡充が進むことになった。

(2019.9.4更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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