Itanium
概要
Itaniumとは、米インテル(Intel)社がかつて展開していた64ビットマイクロプロセッサ(MPU/CPU)の製品シリーズ名。同社と米ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard/現HPE)社が共同開発した「IA-64」アーキテクチャに基づいて設計された製品群である。初代Itaniumは2001年5月に発売され、2002年には「Itanium 2」が発売、その後も改良品が発表された。2008年からはItanium 2の名称が廃止され、「Itanium」の後にモデルナンバーを付加する製品名称(Itanium 9000など)に統一された。
内部の機械語の体系である命令セットには、それまで同社のx86系プロセッサに採用されていた32ビットのIA-32とは異なり、まったく新規に設計されたIA-64が採用された。IA-32向けのソフトウェアはエミュレーションによりそのまま実行することができるが、実行速度は遅く、真価を発揮するにはIA-64向けに開発されたソフトウェアを利用する必要があった。
競合するIA-32プロセッサのハイエンドモデル(Xeonなど)や各社のRISC系プロセッサなどに比較して価格性能比が悪く、対応製品も広がらなかったため、2004年にはHP社はIA-64プロセッサの開発から撤退(対応OSの供給は継続)した。
Intel社もIA-64の計画を大幅に縮小し、IA-32を64ビット化したIntel 64(x86-64/AMD64のIntel版)を64ビット戦略の中心に据えるようになっていった。2017年のItanium 9700シリーズを最後に新規の開発は終了した。
(2019.12.18更新)