読み方 : アラック
ALAC【Apple Lossless Audio Codec】
概要

一般に、音声の圧縮方式は大きく可逆圧縮と不可逆圧縮に分けられる。MP3やAACに代表される不可逆圧縮は人間の聴覚特性を利用して聞こえにくい音域の情報を削減することで高い圧縮率を実現するが、一度削除したデータは元に戻せない。
一方、ALACは汎用のファイル圧縮方式のように完全に元のデータを復元できる可逆圧縮方式を採用しており、原理的に音質の劣化が一切発生しない。この性質から、音質を重視する音楽アーカイブや高音質再生の用途で利用されることが多い。
圧縮率は音声の内容に大きく影響を受けるため一概には言えないが、一般的な音楽CDなどを音源とする場合、MP3のような不可逆圧縮方式は音質をほとんど維持したまま10分の1程度に圧縮できる一方、ALACはおおむね半分から3分の1程度のデータ量となる。これは「FLAC」や「WMA Lossless」など他の可逆圧縮の音声形式とほぼ同等の水準である。
ALACは動画データに付随する音声データの形式として利用されることが多いが、単体で保存する場合はMP4コンテナ形式のファイルに格納することが多く、「.m4a」などの拡張子で示される。M4AファイルはALAC以外にも非可逆圧縮方式のAACにも対応しており、ファイル名だけでどちらの形式なのか見分けることはできない。
ALACはiTunesやApple Musicでの楽曲管理、iPhoneやiPadでの再生において標準的に採用されてきた経緯から、Appleの製品やサービスに親しんでいる利用者にとって身近な形式だが、Apple社は2011年に仕様をオープンソースとして公開した。以降はWindowsやAndroidを含む多様なプラットフォームでの対応が進んでいる。