スピーカー 【speaker】

概要

スピーカー(speaker)とは、外部から受け取った電気信号を音に変換し、周囲の空間に向けて発する装置。テレビなどの機器に内蔵されたり、音響・映像機器やコンピュータなどに接続して使用する単体の機器として提供される。

最も一般的な構造のスピーカーは内部に振動板があり、受信した電気信号の強弱に応じてこれを振動させ、周囲の空気を震わせて音波を発生させる。ブザーや楽器などと異なり、人間に聞こえる範囲の音(概ね40Hz20kHz)であればどのような音でも発することができ、録音・記録された音や声の再生に用いられる。

低音のみを発することができるウーファーのように、特定の周波数のみに対応した機器もあり、対応する音域の異なる複数のスピーカーを組み合わせてそれぞれの範囲の音を発することで、音質や臨場感を高めることができる。

パッシブスピーカー

自身はアンプ(増幅器)を内蔵せず、受け取った電気信号を音波に変えて発する機能のみを持つものをパッシブシピーカー(passive speaker)という。外部のアンプなどに繋いで使用するもので、電源なども必要としない。コンポなどのオーディオ機器やホームシアターでよく利用される。

アクティブスピーカー (パワードスピーカー)

筐体内部にアンプ(増幅器)を内蔵し、自ら信号を増幅することができるものをアクティブスピーカー(active speaker)あるいはパワードスピーカー(powered speaker)という。

外部の機器からケーブルなどで受信した音声信号を内蔵したアンプにより増幅して音声として発する。パソコン携帯電話などアンプを内蔵していない情報機器などからの音声出力のために使われることが多い。

左右に分離した機器の場合は片方にアンプと電源回路、外部入力端子があり、もう一方はアンプで増幅された信号を受信して音声を発する。アンプの駆動などに電力が必要なため、電源ケーブルで給電して動作する機器が多いが、USBバスパワーUSB給電)を利用してUSBケーブルだけで動作する製品や、電池や充電池により駆動する製品もある。

USBスピーカー

パソコンなどにUSBで接続し、デジタル形式の音声データを受信して音波に変換して発するものをUSBスピーカーという。USBバスパワーパソコンから給電して動作する製品が多い。

通常、コンピュータから出力される音声は、主基盤(マザーボード)上の音声処理をう回路によってデジタルデータからアナログ信号に変換され、ケーブルを伝ってスピーカーに送られる。この方式だとコンピュータ筐体内部のノイズの影響を受けたりケーブルで信号劣化が起きてしまうが、USBスピーカーの場合、音声はデジタルデータのままスピーカーに送られ、スピーカーがアナログに変換して出力するため、高音質を実現しやすいとされる。

スピーカーフォン (speaker phone)

スピーカーにマイクがついた据え置き型の通話装置。パソコンや専用の通信装置などに接続して電話会議(テレカンファレンス)などに利用する。

離れた場所にいる三人以上が一つの通話回線を共有して電話会議をする場合、一人一人が別の場所にいれば全員の通常の(個人用の)受話器などを利用しても不都合は無いが、会議室間をつないで複数人同士で通話する場合には、同じ部屋にいる相手と電話で話をするような状況になってしまう。

スピーカーフォンはこのようなとき使う装置で、スピーカーと集音マイクが組み合わさっているため、会議室などでテーブルの真ん中に置いて、周囲にいる人が一緒に離れた場所にいる相手と通話することができる。

(2018.12.18更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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