読み方 : せいかいりつ

正解率【accuracy】

概要

正解率とは、検査や予測の精度を示す指標の一つで、全例の中で正解した例の比率。正解した数を全例の数で割って求める。機械学習モデルの予測性能の検証にも用いられる。

検査や予測では、感染の有無、品質の合格・不合格のように、対象を「Xである」「Xではない」のいずれかに分類することがよく行われる。これと、「実際にXであったかどうか」を組み合わせ、4つの状態が考えられる。

「Xであると予想して、実際Xだった」例を「真陽性」(TP:True Positive)、「Xではないと予想して、実際にXではなかった」例を「真陰性」(TNTrue Negative)、「Xと予想したが、Xではなかった」例を「偽陽性」(FP:False Positive)、「Xではないと予想したが、Xだった」例を「偽陰性」(FN:False Negative)という。

正解率の性質

正解率は全例の中で予想が正解だった例の割合を表している。真陽性の数と真陰性の数の和を、全体の数で割って求めることができる。100例のうち真陽性が10例、真陰性が80例ならば、正解率は (10+80)÷100=0.8 で90%となる。

正解率は陽性あるいは陰性の数に大きな偏りがない場合は有効な指標だが、ほとんどの例が陽性あるいは陰性の事例ではあまり意味のない指標になることがある。例えば、実際には99%が陰性の対象について、全例を陰性と予想すれば、陽性を1例も見抜けなかったのに正解率は99%となってしまう。

他の指標

予想の精度を表す指標は他にもあり、データの性質に応じて他の指標を用いたり、正解率と併用することがある。例えば、「適合率」(precision)は、陽性と予想した例の中で実際に陽性だった例の割合で、真陽性を、真陽性偽陽性の和で割る。「再現率」(recall)は、実際に陽性だった例の中で、正しく陽性と予想できた例の割合で、真陽性を、真陽性偽陰性の和で割る。

(2025.11.16更新)