DTS【Digital Theater Systems】
次

主に、映像の音声トラックとして使用される多チャンネルのデジタル音声を制作、記録、再生するためのデータ形式や圧縮符号化方式を定めている。基本となる「DTSデジタルサラウンド」の他に「DTS-ES」(Extended Surround)「DTS-HD Master Audio」「DTS-HD High Resolution Audio」「DTS Express」「DTS:X」などの規格がある。
複数のスピーカーを用いるマルチチャンネル音声に対応しており、5.1チャンネルや7.1チャンネルといった構成で再生されることが多い。5.1チャンネルは前方左右、中央、後方左右の五つのスピーカーと低音専用のサブウーファーで構成される方式であり、音の方向や移動感を立体的に表現できる仕組みである。音声データは圧縮符号化されるが、比較的高いビットレートを用いることにより、原音に近い音質を維持する設計となっている。
DTS方式は映画館の上映システムやAV機器、パソコン、ホームシアター製品などで利用できる。映像ソフトではDVD-Video(オプションのため非対応機器あり)やBlu-ray Disc(BDMV)などで利用されており、家庭用ゲーム機のゲームソフトに記録された音声トラックなどで利用されることもある。
DTSデジタルサラウンド (DTS Digital Surround)
DTSの最も基本的な技術規格で、単にDTSという場合はこれを指すことが多い。6つのスピーカーを利用した5,1chサラウンドで、標準ではサンプリング周波数48kHz(キロヘルツ)、量子化ビット数24ビットで記録されている。無圧縮のリニアPCMに対する圧縮率は標準で約4.5分の1で、ビットレートは1.5Mbpsとなる。音質を犠牲にしてより低ビットレートに圧縮することもできる。
DTS社
開発元のDTS社はハリウッド映画の音響をデジタル化するために1990年に設立された企業で、1993年に映画「ジュラシックパーク」で初めてDTS方式が採用された。当初の社名および技術名は「デジタルシアターシステム」(Digital Theater Systems)だったが、略称が浸透したため「DTS」が正式名称となった。
米ドルビーラボラトリーズ(Dolby Laboratories)社および同社の「Dolby」ブランドの諸規格・製品群と実質的なライバル関係にあり、多くの機器や映像ソフト、技術規格などがドルビーとDTSの両規格に対応し、選択できるようになっている。