読み方 : じこかいきモデル

自己回帰モデル 【autoregressive model】 ARモデル

概要

自己回帰モデル(autoregressive model)とは、過去の状態に基づいて未来の状態が決まる時系列の現象をモデル化したもの。経済活動や気象など現実の様々な現象をモデル化することができる。
自己回帰モデルのイメージ画像

ある時点tにおけるモデルの状態 Xt が直前(t-1)の状態 Xt-1 のみに依存する場合、定数項 c と係数(パラメータω1、外的要因による影響 εt を用いて Xt=c+ω1Xt-1+εt と記述することができる。

直前だけでなくp回前までの状態に依存する場合、p個の係数 ω1ωp を用いて各回の影響を線形に足し合わせ、Xt=c+ω1Xt-1+ω2Xt-2+…+ωpXt-p+εt = c+i=1pωpXt-i+εt と記述できる。

自然界や人間界には、生物の個体数の増減、天候の変化、交通量の増減、株価の変動のように、過去の状態からの影響と外的な影響の組み合わせで現在の状態が決まる現象が数多くある。自己回帰モデルはこうした時系列に発展する現象をモデル化するのに適している。

単に自己回帰モデルという場合は通常、ある時点における状態を単一の値(スカラ値)で表すモデルを指すが、状態を複数の値を組み合わせたベクトルとして表現するモデルもあり、「ベクトル自己回帰モデル」(VARモデル:Vector Autoregressive model)と呼ばれる。

(2025.9.26更新)