アクセス時間 【access time】 アクセスタイム
メインメモリ(RAM)のアクセス時間はCPUがメモリへのアクセスを要求してからデータの転送が終了するまでの時間で、主に行アドレス(CAS)信号から列アドレス(RAS)信号への切り換え遅延時間(RCD:RAS to CAS Delay)と、行アドレスを与えてからデータが読み出せるようになるまでの時間(CASレイテンシ)で構成される。
ハードディスクやCDなどディスク(円盤)型メディアを利用した外部記憶装置においては、ヘッドが所定の位置まで移動する時間(シークタイム)、読み出すデータの位置までディスクが回転する時間(サーチタイム)、データを読み出して転送するまでの時間(データ転送時間)の3つの合計がアクセス時間となる。
記憶装置の能力を表す数値として用いられるアクセス時間は、特定の位置のデータを読み出すのではなく、初期条件、データの読み出し位置などをランダムな条件下で何度も測定した値の平均値(平均アクセス時間)が用いられる。
実効アクセス時間 (effective access time)
メインメモリ(主記憶)とキャッシュメモリ(キャッシュ)が両方搭載されているコンピュータで、CPUからメモリへの1回のアクセスにかかる平均時間のこと。
メインメモリは低速だが大容量、キャッシュは高速だが小容量という特徴があり、メインメモリの内容のうち使用頻度の高いものなどをキャッシュに保管することでアクセス速度を向上させることができる。あるデータへのアクセス時間は、それがキャッシュ内に見つかればキャッシュのアクセス時間で済み、見つからなければメインメモリのアクセス時間がかかる。
このため、何度もアクセスを試みた際の実効アクセス時間は、キャッシュにデータが見つかる確率(キャッシュヒット率)を用いて、「キャッシュのアクセス時間×キャッシュヒット率+メインメモリのアクセス時間×(1-キャッシュヒット率)」として表すことができる。
シークタイム (seek time/シーク時間/位置決め時間)
ディスク(円盤)状の記憶媒体を用いるストレージ(外部記憶装置)のドライブ(駆動装置、読み書き装置)で、ヘッド部分が盤上の目的の読み書き位置に移動するのにかかる時間。特に、一回の動作にかかる平均時間(平均シークタイム)のことを単にシークタイムということが多い。同じ種類の装置ならシークタイムが短ければ短いほどデータを高速に読み書きすることができる。
磁気ディスクを読み書きする磁気ヘッドや、光学ディスクを読み書きする光ピックアップなどは、ディスク上の指定された位置に移動してから読み書き動作を開始する。このヘッド部を移動する動作を「シーク」(seek)、それにかかる時間をシークタイムという。
一回のシークにかかる時間はヘッドの現在位置と目的位置によって異なるため、性能を評価する際にはランダムに決めた異なる位置間で何度もシークしたときの一回あたりの平均シークタイムを測定する。シーク動作はディスク内の離れた領域に移動する度に必要となるため、シークタイムが短い装置は小さなファイルを連続的に読み込む場合などに特に高い性能を発揮する。
サーチタイム (サーチ時間/回転待ち時間)
ハードディスクや光学ディスクなど円盤型の記憶媒体(メディア)を利用した外部記憶装置(ストレージ)において、読み書きしようとしているデータの位置までディスクが回転するまでの待ち時間のことをサーチタイム(search time/サーチ時間/回転待ち時間)という。
ヘッドが所定の位置まで移動してから、メディアが回転してヘッドの直下に対象の位置が移動してくるまでの時間のことで、回転が高速なほどこの値が小さくなり、素早く読み書きを始められるようになる。
データ転送時間 (transfer time)
記憶装置へのアクセスにかかる時間のうち、記憶媒体からの目的のデータの読み取りを開始してから、読み取りが終了しCPUへの伝送が終了するまでの時間のことをデータ転送時間(data transfer time)という。
対象のデータ量の大きさによってかかる時間が異なるため、異なる装置間で比較する際には同じデータ量にかかる転送時間同士を比較しなければならない。