光ピックアップ【optical pick-up】光学ヘッド
概要

光学ディスクの記録面には、同心円状または渦巻状のトラックに沿って微細なピット(凹凸)が形成されている。ディスクをスピンドル(回転軸)に固定して高速回転させながら、光ピックアップを記録面に近接させて信号の読み書きを行う。書き込み時には、より強い出力のレーザー光を照射して記録層を物理的または化学的に変質させる。
ピックアップ内部のレーザー光源から出た光は、対物レンズによって記録面上でスポット径が最小になるよう絞り込まれる。反射した光はビームスプリッタなどの光学系を経てフォトディテクタに入り、強度の変化が電気信号として検出される。これを信号処理することで、ディスクに記録されたデジタルデータが再生される。焦点位置とトラック位置を継続的に補正するオートフォーカス機構やトラッキング機構も備える。
使用するレーザー光の波長はディスクの規格ごとに異なる。CDでは波長780nm前後の赤外線レーザー、DVDでは波長650nmの赤色レーザー、Blu-ray Discでは波長405nmの青紫色レーザーが用いられる。波長が短いほど記録面上に絞り込めるスポット径が小さくなり、微細な記録マークの読み取りが可能になる。対物レンズの開口数もCDの0.45、DVDの0.6に対しBlu-ray Discでは0.85と大きく、波長の短縮と開口数の向上を組み合わせることで記録密度を高めている。
複数の規格に対応する光学ドライブでは、規格ごとに最適化されたレーザー光源やレンズが必要になる。そのため、波長の異なる複数のレーザーダイオードを一つのピックアップに内蔵し、レンズや光路の一部を共用しながら切り替えて使う多波長一体型の構成が採られることが多い。1台のドライブでCDやDVD、Blu-ray Discのいずれも扱える製品は、こうした複合的な光学系によって実現されている。
近年では光学ディスクドライブそのものの需要は縮小し、メーカーの撤退も相次いでいるが、光ピックアップの開発・生産で培われたオートフォーカスやトラッキングの精密位置決め技術、光学素子の集積技術は、精密計測機器や光通信用デバイスなど他分野の技術基盤としても応用されている。