aptX
概要
aptXとは、高音質と高圧縮率が特徴の音声圧縮方式(コーデック)の一つ。主にBluetoothのA2DPによる音声再生に用いられる。商標権や関連特許は米クアルコム(Qualcomm)社が保有している。音声データの圧縮符号化および復号の方式を定めたコーデック(CODEC)の一つで、1980年代にADPCM方式を改良して考案された。1990年代から映像業界などで業務用の音声処理システムなどに使われていた。
2010年代になると、近距離無線通信規格のBluetoothが音声を伝送するA2DPプロファイルでオプションのコーデックの一つにaptXを採用したことから、ワイヤレスイヤフォンの接続などの用途でよく利用されるようになった。
A2DPの標準コーデックであるSBC(SubBand Codec)よりも高音質で処理に伴う遅延も小さいことからaptXが利用できる場合はそちらを選択することが多いが、製品での実装にはQualcomm社へのライセンス料が必要なため対応機種は限られる。Androidでの利用に関しては圧縮・送信側のプログラムが無償利用できるようになったため、Androidでの人気が高い。
派生方式として、より低遅延な「aptX LL」(Low Latency)、より高音質な「aptX HD」(High Definition)、可変ビットレート(VBR)に対応した「aptX Adaptive」などがあり、オリジナルのaptXに加えて双方の機器がこれらに対応している場合はそちらが選択される。
(2021.12.13更新)