Red Hat 【レッドハット】
独自のLinuxディストリビューションなどのオープンソースソフトウェア(OSS:Open Source Software)を開発・配布し、法人ユーザーなどと有償で保守契約を結びソフトウェアの最新版の提供や技術サポートの提供などを行う事業を展開している。ソフトウェア技術者の資格認定なども行っている。
LinuxのようなOSSは誰でも無償で入手・利用できるが、使用は自己責任で開発者が丁寧にサポートしてくれるわけではない。企業などが導入する際には、何かあったときに責任を持って問い合わせを受け付けてくれる「開発元」に相当する相手が必要で、Red HatはLinuxに関して有償でその窓口を提供するという事業モデルを確立した。
歴史
1993年に創業し、1999年にニューヨーク証券取引所に株式を上場した。当初は一般向けの「Red Hat Linux」と企業向けの「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)を展開していたが、2003年に前者は同社事業から切り離され、「Fedora」(フェドーラ)と改称されオープンソースプロジェクトの「Fedora Project」に移管された。
2006年には米ジェイボス(JBoss)社を買収し、オープンソースのJava EEアプリケーションサーバ「JBoss」や関連ミドルウェア製品を手に入れた。2008年にはLinux向けの仮想化ソフト「KVM」(Kernel-based Virtual Machine)を開発していたイスラエルのクムラネット(Qumranet)社を買収した。
2012年には分散ファイルシステム「GlusterFS」を手掛ける米グラスター(Gluster)社を、2018年にはコンテナに特化した軽量Linuxシステム「CoreOS」を手掛ける米コアオーエス(CoreOS)社を傘下に加えた。2019年にIBM社に買収され、同社の一部門となっている。