IBM 【International Business Machines】
概要
IBM(International Business Machines)とは、米大手IT企業の一つで、コンピュータ業界の世界的な巨大企業。主な事業は業務用のコンピュータや関連機器、ソフトウェア、サービスの販売など。本社はニューヨーク州アーモンクで、世界170か国以上に進出する多国籍企業としても知られる。1911年に前身の3社が合併してC-T-R(Computing-Tabulating-Recording)社として設立され、1924年に現在の名称となった。1950年代に黎明期のコンピュータ市場に参入し大成功、世界最大のコンピュータメーカーに成長した。
現代では「メインフレーム」(大型汎用機)として知られる業務用の大型コンピュータ市場で数十年に渡り過半のシェアを維持している。1970年代までは中小型のコンピュータが存在しなかったこともあり、業界の「巨人」「一強」として君臨した。
業界のリーダーとして研究や新技術の開発にも熱心に取り組み、長年に渡って米国企業の特許取得数ランキング首位争いの常連となっている。DRAMや磁気ディスク(フロッピーディスク/ハードディスク)、バーコード、リレーショナルデータベースおよび操作言語のSQL、現金自動預払機(ATM)などはIBM社による発明である。
1980年代初頭には普及し始めた個人向けコンピュータに参入し、パソコン製品「IBM PC」シリーズで一時は成功を収めた。同社の「PS/2」「PC/AT」の仕様を模倣した、いわゆる「PC/AT互換機」と呼ばれる仕様が業界標準として広く普及した。
しかし、基幹部品であるCPU(マイクロプロセッサ)は米インテル(Intel)社に、オペレーティングシステム(OS)は米マイクロソフト(Microsoft)社に握られ、また、他社の互換製品が大量に流通したことから、大型コンピュータのように市場の主導権を握ることはできなかった。
1990年代にはミニコンやUNIXサーバ/ワークステーションなど業務用の小型コンピュータが台頭してメインフレームの地位が低下し業績も悪化するが、コンピュータ本体などハードウェアの製造・販売が主体の事業モデルから、ソフトウェアやサービスを中心とする事業へ大きく事業構造を転換し、主に大企業や官公庁へ情報システムのコンサルティングや総合的なITサービスを提供する企業として再び大きな存在感を発揮している。